第3話 加賀(かが)ちえさん

 しばらく歩くと、かかしのように麦わら帽子をかぶった、細マッチョな体系のオジさんが話しかけて来ました。


「お嬢さん、お若いのに珍しい。昔ながらの競馬スタイルだ。 競馬新聞を小脇に抱えて、耳に赤鉛筆とは。私の名前は、加賀といいます。加賀氏とでも呼んでください」


 丁寧なオジ様に、雫は万馬券の願いを叶えに競馬場へ向かっていることを話しました、

 すると、加賀氏は言いました。


「私も連れて行って下さい。私は計算が苦手なんだ。計算できる脳みそが欲しい。倍率を計算して、実力の割には比較的倍率の高い馬を狙える脳みそが欲しいんだ」


 イケメンの加賀氏さんが切実に訴えかけてきました。

 悩めるイケオジ。soクール。


「せっかく当たっても、収支がマイナスになってたりする。当たっているのに、みんなにバカって言われるのはもう嫌なんだ」


 雫は疑問に思い聞いてみました。

「加賀氏さんはレートを計算しないでどうやって馬券を買っているの?」


「単純なことさ、 人気な馬だけを買っているんだ。脳みそが無くても、競馬って楽しめるだろ?」


 雫は加賀氏さんの考え方にも一理あると納得しました。

「ええそうかもしれない。あなたの言うとおりね。単純に馬さんが走る姿を見て楽しむ。競馬ってそういう楽しみ方もできるものね」


 こうして雫は加賀氏と一緒にオッズの元を目指すことになりました。


 ――単純に作者が喜ぶ姿を想像するのも、Web小説の楽しみですね。

 面白いと思いましたら、星を頂けると幸いです。


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