第29話 ジェフリー中隊
それからしばらくして、俺は新しい階級章のついた軍服を受け取り、俺の部下に配属された中隊のメンバーに関する資料も受け取った。
その時に教えてもらったことによると、このメンバーは戦場の
そして俺の功績を
パーソナルマークは、仲間たちから二つ名が与えられるほどの功績を残した兵士に与えられるもので、実益はないが名誉なこととして認識されている。
そのマークは、ぼろぼろのマントを
そして、中隊長となった俺には三つの小隊が配属された。
そのうち一つは俺の直属で、ジェフリー中隊直属小隊、略してジェフリー小隊となる。残り二つの小隊の小隊長は、ブライアン・ギルソープとエルトン・ブラウズという名前らしい。
二人の資料によると、ブライアンは三十を少し過ぎたぐらいで、151.7アッシュ(182cm)という恵まれた長身にスラリとした長い手足をもつ、スタイル抜群のイケメンだ。
そのため、数々の女性と
ブライアンの駆る多脚戦車はグラディエイタースタイルで、イケメンらしい華麗な
エルトンは三十代中盤で、愛嬌のある丸顔をした肥満体形だ。その体つきにふさわしく、うまいものを食べるのが趣味だが、それ以上に酒を飲むことが大好きらしい。大酒飲みなので休暇中はそれとなく注意しておくようにと、書かれているほどだ。
エルトンの駆る多脚戦車は、彼らしいという表現がぴったりのデストロイヤースタイルで、両手持ちの斧を振り回す豪快な操縦らしい。
俺の直属小隊のメンバーは、そのまま変わらずにセシィ、ウォルター、ニールの三人だった。今回の配属でこれが一番ありがたかった。気心の知れた仲間たちとまた戦えるのがうれしかったからだ。
そして、この特別休暇中に、俺の中隊のメンバーによる親睦会が開かれた。ちなみに新任の隊長のために開かれる親睦会は、俺たちの軍の慣例で費用は全て俺持ちだ。
最初は普通に始まった親睦会だったが、酒が進むにつれてだんだんと雑然とするようになり、俺は引継ぎ資料の注意書きを思い知ることになる。
ブライアンは熱心に女性店員を口説き始めるし、エルトンはひたすら浴びるように酒を飲み続けている。
まあ、俺は部下のプライベートにあまり口出しをしない主義なので、見て見ぬふりをしておいた。
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