【コミカライズ進行中】婚活アドバイザーが異世界で結婚相談所を開いたら、こじらせハイスペ王子たちがご来店されました〜絶対にご成婚していただきますっ!〜

たかつじ楓@『後宮の華』発売中!

プロローグ

今でも思い出す。幼い頃、親戚のお姉さんの結婚式のブーケガールをした。


 教会の大きな鐘の下、真っ白なドレスを着て、世界で一番幸せそうなお姉さんに、花束を渡す役割。


 周りで見ている親戚たちもみんな笑顔で、温かい空気に包まれていた。


 その時、こんな風に幸せな人たちがたくさん増えたらいいな、と子供ながら思ったのだ。


 もう二十年以上前の話だけど、それはやがて私の夢となった。



 ……なのに、なんでこんなことに?



 がやがやと騒々しい広い酒場。

 テーブルが並べてあり、男性客と女性客が向かい合って座っている。

 手にはプロフィールカードを持っており、そこに書かれたことを元に、和気あいあいと会話をしている。

 


「はい、十五分経ちました! 

 それでは、男性の方は席をご移動ください!」



 酒場の中心に立ち、私は手を叩き部屋中に聞こえるよう合図をかけた。

 会話の途中だが、男性は会釈をして隣の女性の前の席に座るため移動する。


 現代日本では有名な、出会いの場でよくあるパーティの様子だ。

 ただ違うところは、男性は胸に金の糸で十字架の刺繍がされた聖職者の制服を着ており、女性は魔法使いの杖や、細い剣を腰に下げている人もいる。


 皆、まるでファンタジーゲームのキャラクターのような格好をしているのだ。



「本日の『僧侶コン』に参加いただきありがとうございます! 

 皆様、気に入った異性の方の番号をお手元のアプローチカードにお書きください!」



 私、高嶋有紗は、ゲームの中のキャラクター、アリサとして生きることになった。


 転生しても、私にできることをしよう。


 カップルを成立させて、異世界のみんなが幸せに過ごせるお手伝いをする!

 そう決意して、笑顔で集まった男女に声をかけていく。




 ――これは、婚活アドバイザーの私が、異世界で結婚相談所を運営することになった物語。




『婚活アドバイザーが異世界で結婚相談所を開いたら、こじらせハイスペ王子たちがご来店されました

 〜絶対にご成婚していただきますっ!〜』

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