第五話 【魂の吸収】(ソウルアブソープ)
「ったくよぉさっきの奴はみっともたらしく抗いやがって、クソ時間取られたじゃねぇか。」
「何だお前?突然出てきてゴタゴタ抜かしてんじゃねぇぞ。こっちは今取り込み中なんだ。こいつ(フラガラッハ)であれをぶっ潰すんだからなぁ」
「おいおい仲間外れは寂しいぜ。俺も混ぜてくれよぉ。俺が混ざったほうがもっと楽しいことして盛り上がれるぜぇ!!!クソッタレがぁ!!!!」
「何だお前は、能力者か?」
「ん?フラガラッハにヒュドラか?こいつはいい。おい、ヒュドラ!!まずはお前からだ。じっとしてりゃぁ、楽に逝かせてやるぜ!!!
ヒュドラってのは誰のことだ?」
「おめえのことに決まってんだろ?頭わいてんじゃねぇのか?」
(ヒュドラ?俺のことか?でも俺は無能力者のハズ。でもさっきの黒い影って何のことだ?)
「おい、おれは能力者なのか?」
「舐めてんのか?変な質問ばっか しやがって、もういい。とっとと消えろぉ!!」
「なっ」
謎の男が手を伸ばして迫ってくる。すると、突然毒気がその男を襲った。その男はヒラリと躱す。「クソ。」
(何だ今の衝撃は?)あたりを見回すと黒い巨大なシルエットが現れる。
そして徐々にそのベールが剥がれていく。
するとその闇からアパート一つ分くらいの大きさの竜が姿を現した。
我の名は【不死蛇龍】(ヒュドラ)だ。そうその龍は名のった。
「お前、俺の異能と関係あるのか?」
「お前自分が取り憑かれてるって知らなかったのか?哀れなもんだなぁ。益々もったいねぇ。俺がそのちから貰っといてやるよ。俺は触れた者の意識と能力(スキル)をすべて吸収できる。
つまりさぁ。俺に触れられたら意識がぶっ飛んで一生病院でおねんねってわけ、そこんとこ分かってもらえたかなぁ?クズ虫共!!!」
「意識を吸収できる?おい。、、、?それ、、、は、、、一体、どういう、ことだ?」
「分かんねぇのか?植物状態になるんだよ。オメェみてぇなちっこい頭でも理解できたか?あん?」
「俺の頭が小さいかなんてどうでもいいだろ!!
おまぇかぁああ?アンチルーラーを襲ったのは
ぁあ?」
「あぁ?何吠えてんだ??
アンチルーラーだ?、、、。
おぉおお、そんなやつもいたな、時間系能力をすべて無力化するってやつ。もしかしてお前?
そいつの知り合いかなんか?そりゃぁ悪かったな。だけどよぉ、どっちみちお前もアッチに逝くんだからぁ、二人一緒におねんねのほうが好都合ってもんだろ?」
「おいどういうことだ事件の犯人はヒュドラじゃないのか?」
「まぁ犯人はそこの吠えている負け犬じゃない。この【魂の吸収】(ソウルアブソープ)様だ。」
じゃぁお前はいった、、、「ぉおおおおぉおおおおおぉおおおおぉおおおおお」
「おいおいおっせぇなぁそれじゃ百年経ってもたどり着けないぜ。」
いつの間にか背後に回り込まれ拳を捻り上げられる。
「いっただろ?俺が吸収しているスキルは複数ある。俺には【瞬間移動】(テレポーテーション)や 【見通す目】(フォレキャストアイ) 【増強筋肉】(マッスルゲイン)がある。つまりなぁ、このままお前の腕をもってくこともできるってわけよぉ。残念だったな。クズ虫。」
「くっくそぉおおおおおおぉおおおおぉおおおおおおおおお」
その声に呼応するかのように竜が慟哭しソウルアブソープに向けて毒気を吹きかけた。
「くっそ。やっぱあの蛇龍はめんどくさいな。」
(今のもこいつが助けてくれたのか?)
俺は背後に佇む蛇龍を見返る。
それは何も言わない。
だが
獣の如く野太い声で返す。
すると今まで一本だった首が九本になるように背後の闇から首が現れ、あっという間にその全貌があきらかになった。此れが俺の異能【不死蛇龍】(ヒュドラ)。、、、。これなら勝てる。
「何盛り上がってんだ三下。今能力を知ったボンクラに俺が負けるわけねぇだろぉが!!」
「それはどうかな?やってみなけりゃわからねぇだろうが??」
蛇龍の一匹がソウルアブソープに襲いかかる。それをマッスルゲインで強化された拳で受け止める。そして怯んだすきにもう一匹が襲いかかる。流石に二匹は相手にできず、後ろに下がって距離をとった。そしてどこからか飛んできた剣が空を切ってソウルアブソープ の服を切り裂いた。
「さっきは悪かったな。くそったれ。俺も助太刀するぜ。
まぁ安心しろ。このフラガラッハがあれば一騎当千だからよぉ。」
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