無能力者の邪龍憑依

@tiabod

第一章 蛇龍降臨 第一話 ある朝の竜


ある朝方、変な夢を見た。

霧に包まれた不思議な空間。浅い水場に俺は立っていた。

そこに巨大な9つの首を持つ龍が佇んでいる。

その龍は俺に「貴様を選んだ。」とだけ伝えて

消えた。



それからは何もない。今までの平凡な日常。

(っていうかそんなフラグ立てといて何も無いのかよ。)

俺は大河 隆慈(おおかわ りゅうじ)

正直期待していた。俺もみんなみたいな能力が手に入るのかと。、、、。


この世界ではほとんどの人間が異能力を持っている。似通った能力があってもかぶることはない。性格が十人十色なのとおなじようにだ。無能力者もいるが遅くとも成人になるまでは能力が現れるようになる。だけど

残念だが俺は何も発現しない。

医者に聞いても 「気長にまとうよ」と言われるだけだ。


「ウィ!」

「おっす↓↓」

「なんだよ。テンション低いな?いい加減能力のことは気にするなって。」

「いや昨日夢みてさ。変な竜に選ばれたっぽいんだけどその後なんも起きないんだよな。」

「なにそれすげ~じゃん。そんだけフラグ立てて何も能力が発現しないお前の強運には言葉もないぜ」

「うるせぇよ。」

(まぁもう諦めてる感がすごいあるんだけど)

川染 敦樹(かわそめ あつき)は俺の友達で【空中浮遊】(エアロレビテーション)の持ち主だ。

「お前は何でエアロレビテーションがあるのにわざわざ地面に足つけて歩いてんだ?」

「隆慈(りゅうじ)と絡むのがいいんだよ。」

「おーい。 おは!」

米崎 勇斗(よねさき ゆうと) 【高速移動】(クイックムーブ)の持ち主だ。みんな知ってる瞬間移動の下位互換だがそれでも素早く動ける。らしい。、、、。

「お前はいいよナ。学校まで一瞬だもんな。」

「お前らがちんたら歩いて学校行ってるのを観察したいからちょっとゆっくり移動してるぜ。」

「いいよなお前ら。ホント。、、、。」

夏空の下、微かな風が吹き抜ける校門には大きな巨木に青々と葉が茂っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る