第1話 涙が私を強くする

『青!どうしたの。どうして泣いてるの?』

青の母は玄関口で暗がりの中びしょ濡れになっている青の目を見ると涙が流れ出していた。

青は涙を隠そうと暗がりの中、傘を置いて言った。

『外でね、雨が降ってたの。それで傘さしてたら、顔に雨がついちゃって雨が涙に見えただけだよ。雨に濡れちゃったから、着替えるね』

母は青の腕を掴み言った。

『今日は青の大好きなみかんごはんだから。仕事のための勉強は程々にして、リビングに来るのよ』

青はうん。と返事をして2階へと上がって行った。

青はタオルで顔を拭いながらも再び涙が溢れ落ちた。

今日あったことを話すとしたら、上司からパワハラがあったことだった。

青は入社して1年たったが目まぐるしく回る人の入って辞めていくそんな職場がとても居心地が悪く、頼りにしている人との関係性や人の悪口に噂話の中で上手く生きていくことが難しいと感じた。

ただ辞めるきっかけがどうしてもなく、ずるずるといつのまにか24歳になってしまった。

心を上手く保つことさえ難しくなった時に初めてパワハラに遭った。

パワハラに遭っても会社に行こうと努力した。

だけど、会社が怖くなってしまい、今日早い時間に早退して雨の中帰って来た。

涙が止まらず、私は今日壊れてしまった。


これから始まるのは、花丘青(はなおかあお)のこれからの生き方である。

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