第43話 百貨店との縁
久しぶりな『ジャンからの便り』だが。
ユリナからの
「何か書いてほしい」
と言う依頼の元、書く事に。
では、何を書くかだが・・・
以前にも話した事があるが、ユリナは販売員をしており、売り先は様々。
その中でも、百貨店の販売員でも立つのだが。
ユリナの行く地域の百貨店は、
関西の人なら誰もが知る
『阪急阪神』『大丸松坂屋』『伊勢丹』『高島屋』『京阪』『近鉄』
とまぁ、数多くあるわけで、大阪駅、梅田には
『阪急』『阪神』『大丸』と三ケ所に百貨店がある。
ローカルなら、宝塚や、芦屋、高槻、京都の河原町やら、奈良の生駒など様々だ。
百貨店の雰囲気もあるが、その土地に住むお客様の雰囲気などが出るわけだ。
勿論、俺達も一緒に行き、守護するわけだが。
そもそもユリナと百貨店とは、今の仕事をするより前からほとんど縁はなく、ユリナの生まれ育った街でも、高島屋があったが、ほとんど行くこともなくだった。
単に興味もなくなようだったが。
それが、地元を離れ、関西(神戸)に住む際に、百貨店に足を踏み入れる事になるわけだ。
電車で三ノ宮に行ったり、梅田に行く事になったりと。
阪神沿線に住んでいた事から、阪神百貨店には時々足を踏み入れていた。
当時のユリナは、何か特別に百貨店で買い物をするわけではなく、ただ、デパ地下を歩く。
人の多さに疲れると何処かのお店に入りお茶をして帰る。
そんな感じだった。
自分の生まれ育った街(岡山)とは違い、関西では電車にのれば、百貨店に行きやすいわけだ。
そんなユリナがお客様としてではなく、販売員として立っている。
ユリナは
「まさか、自分が百貨店の売り場に立つようになるなんて。」
と未だに思っている。
普通にカジュアルに販売なんてできず、丁寧な接客、立ち振る舞い等、自分が他者から見られている感じが、彼女にとっては、ストレスだったりする。
『品良く』と言うわけだが。
表に出れば『品良く』
そして、バックヤードに入れば、またそこは違うわけで。。
そこで働く人の姿が別の意味で見えるわけだ。
基本的には、裏でも、従業員の皆様は感じの良い方ばかりだ。
従業員エレベーターに乗れば、同じ階で降りる際、譲りあって順番に降りる。
エレベーターのドアが閉まらないように一人が『開く』のボタンを押し皆が降りるのを待っている。
そして、その人に向けて先に降りる人はきちんと
『ありがとうございます』
と言う。
普通の風景に見えるだろうが、会社や、違う職場等では、そんな事はなかったりする。
又、食堂や、休憩室に行けば、ほとんど私語はなく、一人ひとりが自由に席に座り、食事をとったり、
そして、だいたいの方々がその場で仮眠をとる姿が見られる。
売り場にいなくても、百貨店という建物の中にいる事は、建物を出るまである程度の緊張感があり、どこに居ようとも、ホッとする事はなくなようだ。
そんな百貨店の裏の雰囲気だが、
ユリナは、ある時掲示板に目がとまる。
そこには
『歩きスマホはやめましょう』
そのような見出しから始まり、
細かい事が書かれていた。
ユリナは、思った。
「こんな、品を問われる場所でも、こんな『歩きスマホ』の注意が呼びかけられるなんて。。
普通は、そんな注意なくてもわかるもんじゃないのかな?
百貨店でも、そうなんかぁ。。」
とまぁ、人間性に残念さを抱くユリナなのだった。。。
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