第33話 人が絶対に逃れられない事②
仲間「生まれる家、生まれ順、性別、与えられた肉体等、自分ではどうにもならない事、あるだろう。」
俺「『生まれつき』ってやつだよな。」
仲間「そうだ。家庭環境に恵まれた者。不幸な者。裕福な家、貧乏な家
進学できる環境であったり、そうでなかったり。
両親揃わず、片親だったり。。
これらで苦しむのは、本人に原因があるか?
違うよな。
この苦しみは決して「因果関係」はないのかもしれない。
ただ、『カルマ』と呼ばれるものや、『お役目』と言うものがあるようだ。
まぁ、学びは勿論なんだろうがな。」
俺「この場合の苦しみはさ、どう捉えたり、または逃げる事は出来ないのか?・・・て言うのもな
『なんでこんな人と結婚したんだろう。』
見る目がない自分が悪い。って現実では考えていても、霊的に予めその家系へと役目で行かされる場合もあるわけだよな。」
俺はこんな人は、沢山いると考えているんだが。
一応、両親を選び、性別や、肉体など一生において必要なものを選び転生はあるようだが。
そんな感じではなく、役目があり行かされる場合だってあると考えている。
まぁ、魂の向上が目的なんだろうが、
それでも、
『なんで、、こんな人と?』とか
『なんでこんな家に?』とかさ、
そんな人は少なくないんじゃないかなと。
これらの苦しみからは、どう向き合い、解決するのかなと。。。
そんな事を考えていたら、ユリナの頭に昔読んだ一冊の本が浮かぶ。
その作品は
『Itと呼ばれた子』
知っている人は知っているだろうと。
児童虐待の作品なんだが。
ノンフィクションであり、作者本人が経験した事の作品なんだ。
作者が大人になり幼少から自身の母親から虐待され続け保護され、
それから後の両親との向き合う姿勢や、自身の人生での生きる様を綴られている。
俺も当時ユリナと共にこの作品に目を通したんだが。
虐待され、作者である彼は殺されかけたり。酷かったようだ。
だが、最後のページまで読んで見て、
この一冊から俺もユリナも考えた事は
『逃げなかった』と言う事。
この『逃げなかった』と言う意味は、虐待から逃げなかったとかではなく、
自分の人生から逃げずに懸命に生き抜いた事を指す。
彼は、保護されてから大人になるにつれて、どうやって生きていけばいいのかを、自身でもがく。
生きる為にはお金が絶対に必要だと考えた彼は、時間を働く事に費やし、必死にお金を稼いでいく。
そんな姿や、汚い人間関係の中で自分が何か悪い状態になるなら、相手を怨まず、その人間関係の縁を断ち切るように自身でしたり。
最後には結婚し、優しいパパになれたようだが。
変えようがない自身の人生から逃げずに懸命に生き抜いてきたからこそ、手に入るのかもしれない平穏な日々を。
そんな風に感じとった一冊だった。
すると、仲間がその本について話してくれた。
「その本。偶然に手にしたと考えたか? それは、偶然ではなく、手元へと本がやって来たと考えた方がいい。
なぜなら、事柄は違えどもユリナ自身も同じく変えようがない人生を歩かされてきたからだ。
自分の人生から逃げずに生き抜いた者にこそ、幸せを感じる事ができ、
見いだせるのだとな。
俺の父からの一冊の本からのメッセージだと言える。」
そうなんだな。
確かにこの一冊の本は、人からの紹介で借りて読んだ物だった。
本とのご縁だったんだな。。
「お前の父上様に感謝するよ。」
俺は、その方がユリナだけではなく、人々を見守っているのが見えるのだ。。。
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