第7話 私の戦闘力はオーストラリア5個分です。
あれから数日たった。
その間、俺は苦戦しながらもほどちゃんとスキル《頑強》を頼りにしながら虫を取ったり魚を取ったりして配下のゴブリン達に餌を与えていた。
ゴブリンの成長は早めなのかすぐに体が大きくなっていき、元気にそこらで遊んだり木に登ったりしていた。
たまーに流れる鳥や、巨大な何かを見るたびに叫ぶゴブリン達を抑えながらの日々だった。
この間、森に本格的に入ることはなかった。方針なしで入るにはちょっと怖い。だが、おそらくすぐに入るんだろうな。ゴブリンは基本森の中に住んでいるのだし。
さて、虫といえど一日腹を減らすことなく過ごせるようになり、配下もある程度大きくなったわけだが、これからどうするか。
まずはレベルを上げることか。けどレベルを上げるにはどうする?
「ゴブリンってどうやってレベル上げしているの?」
「ギギャ?」
ゴブリンAが反応してしまった。
「君じゃない。ほどちゃんね?」
「ギギャギャァ」
餌が欲しそうなので取っておいた魚を何匹かあげておく。ゴブリンがみんな群がってむしゃぶりついた。
「ゴブリンは基本他種族を発見次第攻撃します。これにより格上を倒すことでレベルを上げます」
「それ、負ける時もあるんじゃ? というか、負けのほうが多くなりそうでは」
実際ケンタウロスには負けてたし。というかぼろ負けだったし。
あれ、ケンタウロス側が襲っていたんじゃなくて、ひょっとして襲われて迎撃したのかな? ついでとして狩られた可能性がある。
「そのための《繁殖》スキルです」
「当たって砕けろが座右の銘なのね」
うーむ。参考にならん。そんな博打のような狩り方するわけがない。
「ゴブリンってケンタウロスに勝つことあるの?」
「距離次第です。近接の場合はキルレシオ10:1です。以前のような開けた場所だとキルレシオ500:1です。」
ほぼ無理げーじゃないか。
「まぁ、足で距離稼がれてずっと弓で撃たれるんだから当然の数字か…。そんな奴何も突っ込むゴブリン。これが馬鹿かわいいってやつか。」
死してかわいさを表現するとはあっぱれである。
まぁけど俺にチートがあるんだし、元人間ということでゴブリンの習性に従う必要もない。
知恵を使おう。クールにな。
さぁ、ほどちゃん。教えてくれ。
「ほどちゃん。近くで狩りやすい格上はいる?」
「はい。このダンガール大森林に生息しているタイタニアカオスデミアースドラゴンアースワームが推奨されます」
何だって?
「よく聞こえなかったわ。もう一度お願い」
「タイタニアカオスデミアースドラゴンアースワームです。正確にはその幼体です。」
「それが推奨なの? なんか幼体でもすげー強そうな名前なんだが。」
「タイタニアカオスデミアースドラゴンアースワームは最大で体長2Km、幅100Mのアースワームです。」
「いや無理なんだが? そんなの狩るの無理なんだが? 多分それ馬鹿な普通のゴブリンでも狩りに行かないよね? 俺のチートでそれ絶対覆せないよね?」
というか、そんなのいる世界なの? 俺のチートしょぼくない? そんな大きさの魔物いるなら山一つ破壊するレベルでもチートって言えないよね?
「その幼体は体長1~3m、幅30~60cmであり、主食はこの森にいるすべての魔物です」
「ふーん? その大きさなら・・・狩れるのか? というより幼体と成体の体の大きさの差やばくね? なんでそんなにあるの?」
「タイタニアカオスデミアースドラゴンアースワームは進化しない、一生身体が成長し続ける種類の魔物です。近くのミカド山付近で生まれたばかり幼体が、餌を求めてこのダンガール大森林に流れてきます。この幼体は種類としてはゴブリン族より格上であり、なおかつ戦闘能力がないために狩りやすいタイプとなります。」
「ふーむ」
もう少し詳しく聞いてみると、タイタニアは体長がいずれかの方向で500m以上、カオスは暴れれば街一つ破壊できる、デミアースドラゴンはアースドラゴンに偶然でも傷をつければつく称号みたいなものらしい。
それでアースドラゴンはドンぐらいの強さなの? って聞いたら、現在のアースドラゴンはタイタニアラグナロクデミゴッドアースドラゴンというらしい。
ラグナロク級は全世界の5%以上を変化させる力を持っていたらつく名前らしい。この世界は地球の役5倍ほどの大きさらしく、5%とは大体オーストラリア5個分を破壊できる力を持つんだと。
核も真っ青な威力だ。水爆何個分よ。
世界を知るほどに、俺のチートはチートじゃなくなりました。
いの中の蛙だったな。
まぁ、そんな遥か彼方のところにいる最強生物のことはいいか。
とりあえず、ほどちゃんがおすすめというなら、狩ってみるか…。
その後一通り話を聞いてみた結果、狩れそうなので狩ることにした。
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