第12話 目指せ企業勢Vtuber その5

都内某日某所にて……

〈俺も審査会議に参加させてくれよ〜。面接の時もダメって言われたしさ〜。〉「ダメです。仕事もいっぱい残ってるんですよ。」〈仕事終わったら参加していいのか!?〉(やばい、この人マジで仕事全部終わらせて参加する気だ。この人は娘さんのことが絡むとアホになる、絶対に参加させる訳にはいかない。どうすれば…そうだ!)「社長、審査の公平性を保つためにあなたはダメです。」〈面接の時の動画を観るので我慢するかぁ。〉「は?え?動画ですか?」〈面接前にこっそり仕掛k「あなたは何やってるんですか!?」〉〈な、何もやってないよ。〉「方法はともかく見ること自体に問題はないので見逃しますけどもうしないでくださよ?」〈わかったよ。ところでお前は会議に参加しないのか?〉「私は社長の足止め役です。ダメって言われても乗り込むでしょ、あなたは。」(本当にこの人は……)


〈ただいまー。〉「父さんおかえり〜。」〈あ、そうだ碧、おめでとう!ほら、ケーキだぞ。お祝いだからな。〉「なんの?」〈ほら、この前の面接の合格祝いだよ。ついにVTuberになれるんだ。盛大に祝わないとな。〉「……う、受かったの?」〈まだ連絡いってないのか。ていうことは機密情報かぁ。母さん以外にまだ言うなよ。〉(社長がこんなんで本当に大丈夫なのか?あの会社…)「よっしゃーーー!」〈流石は俺の娘だな。( *¯ ꒳¯*)ドヤァ〉『まぁ碧なら当然ね。』〈紬も知ってたのか。〉『私もさっきモデル作成の依頼がきて、合格者の情報も一緒に送られてきたからそれで知ったのよ。』「え?ボクの同期の人ってどんな人達なの?」『まぁすぐわかるよ。』〈少しだけなら教えてあげれるぞ。男は2人で女性は碧をいれて3人だ。みんな成人済みだから、困ったらお兄さんお姉さんに頼ってみるといいよ。〉『お母さんも手伝えるから頼ってねリコラボもしようね!』「ん?コラボ?」『お母さんもVTuberとして復帰するんだよね。』「初耳なんだけど…」『今言ったし。』「はぁ〜母さんはもう…」(とは言ったものの心強いなぁ。)〈もう少ししたら担当マネージャーから連絡くると思うよ。その後マネさんと通話して、同期のメンバーとマネさんで自己紹介とミーティングって流れになるかなぁ。だから同期がどんな人達なのかはそれまでのお楽しみだ。碧達4期生の2Dもそろそろ作り始めると思うぞ、楽しみにしとけよ。〉『碧の2Dはもう出来てるよ。』〈「は?」〉『碧は絶対受かると確信してたから先に作ってたんだよねぇ。3Dもあるよ。』(プレッシャーが凄いなぁ。期待を裏切らないよう頑張らないと…)突然母さんはボクの両肩に手を置いた。「母さん?」『碧、あなたは自分がやりたいこと、楽しいと思うことをやればいいの。「でも見てくれる人のために」1番大切なのは碧自身が楽しむこと。碧がまず楽しそうじゃないと見る人も楽しめないから。』母さんの言葉はボクの胸にスッと入っていった……

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