第2話 泉の中の小さい魚の気持ち

単刀直入に言おう。大好きな彼とは前世からの繋がり、運命の恋人だ。


朴訥(ぼくとつ)とも形容できるほどの素朴で普遍的な幸せな日常。


私が強く望み続けた他愛ない日常は、今生を半世紀生きてやっと手に入れたもの。


世紀を跨いだ彼との大恋愛は悲しく悲惨で壮大なハッピーエンドの物語。


これからここに記そう。




愛しているよ


彼の男性器で私の女性器をかき回される時至極。


泉の中を小さい魚が優雅に泳いでいる時の小さい魚の気持ち。


最愛の運命の人は肉体的にも精神的にも深く繋がれると若い時に文献で読んでいたから最愛の彼を見つける目印になった。


彼との行為は今まで味わったことのない類。


当時他の男性を愛していた。不意に今の彼と身体を重ねてから彼のことが頭から離れなくなった。


キスと挿入くらいしか要らないほど愛に満ちて気持ちが良いセックス。


当時愛していた人は私の心変わりが原因で男性的な不全になってしまい私の心は痛まないわけはなかったが、愛し合う極上の悦びを味わって私はもう引き返せなかった。


当時愛していた人は前世で大好きだった父、運命の彼は前世の父の友達で前世でも愛し合ったことのある人。


そのことに後に気付いたけれど当時愛していた人を傷つけたことには変わりない。


当時愛していた人、前世の父は腹を立て、私からエネルギーを吸う嫌がらせをした。霊的攻撃だ。


エネルギーを吸われた私は気力を失くし動くことが億劫になり眠ってばかりいた


彼が好きなの、許して、嫌がらせは止めて、そう懇願しても前世の父は止めなかった。


前世の父は私を愛し手放したくなかったし、私の愛情というエネルギーが欲しかったのだ。


それでも生気を失ってあまりに不快なときは、私は容赦なく前世の父に霊的攻撃をした。


心が痛んだ。

しかし嫌がらせに耐えられない、心を鬼にした。


前世の父の強い想いを冷酷に無視して今の彼と毎日のようにセックスした。


時に敢えて彼と卑猥なセックスも愉しむ。


人間の欲は深いからそれを理解していて欲を愉しむ遊びをするのが私達の常。


リンゴを食べ快楽を知ったアダムとイブ。


私達はさながらアダムとイブのよう。


前世の父はセックスの一部始終を見ている。みんなも見ている中、何年も毎日のように愛し合い続けた。


私達はみんなテレパシーで繋がっている。


セックスも筒抜けなのだ。


ここはどこ?

どうして?


不思議なことばかり続く毎日、執拗な嫌がらせに息も絶え絶えになりながら日毎に前世を思い出していく。

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