私に藍は似合わない

アル

プロローグ

 当たり前のように付けていたイヤリングをテーブルに置き、昼間買ってきたピアッサーを耳たぶに当てる。一つ息を吐いた私は思い切って握る力を込める。

 ガシャン、と音が響いた私の耳には穴が開いている。そして反対の耳にも同じように穴を開ける。

 開けた穴をろくに確認することなくテーブルに置いていたイヤリングを台紙につけて写真立ての隣に並べる。

 写真立てを眺めた私は鏡でピアスを確認する。ピアスを付けた私を見て改めて思う。

『私に藍色は似合わない』と。

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