幸せの見つけ方

蒼桐 光

第1話 幸せとは?

冴えない日々に

突然現れたひとすじの光

貴方と出会えた事は

私の人生の奇跡


待ちに待った給料日

支払いに必要なお金をおろして

残高はクレジットカードの支払いに消える

手持ちの現金はすぐに無くなり

またクレジットカードに頼る日々

その繰り返しだった


旦那と三人の子供達との生活、普通の生活ではあったけど、いつもカツカツだった

それから、通える範囲に実家があり、そこには足が不自由な父と弟が住んでいて

週に2回は様子を見に行ったり、食事を届けたり、ゴミ処理をしたり、たまに掃除には行くけれど、行き届かず不甲斐ない思いをしていた


ただがむしゃらに生きてきた

振り返る暇も無く、それが当たり前だと思い

仕事や家事、育児に追われ

気がつくと旦那には見向きもされなくなっていた。高額になった子供の学費、家のローン、収入をやりくりしても足りなくて週5の会社員と土日はラーメン屋でアルバイトしていた


流行り病の流行への恐怖と運転技術に自信が持てず、勤めていた介護施設を退職

そんな中、転職した会社に

貴方はいた

若いのに落ち着きがあって、仕事熱心で素敵な青年だなって最初は思った


彼の存在は冴えない日々の心の支えだった


仕事も家事も子育ても一生懸命やっているつもりだったのに

旦那から出るのは溜め息と不機嫌な表情

会話もほとんど無くなって

たまにする会話は支払いの話くらい

土日に私がバイトに行っている間は

旦那は自由にバイクで遊び歩いていた

そんな違和感のある日常を見て見ぬフリして

いつの間にか限界が来ていた

でも、それでも私はこの人生を生きていくんだと疑わなかった


彼とは同じ部署ではあったけど、ほとんど関わりが無くて、姿を見るくらいだった

ある日上司に用があって、たまたま声をかけてくれた

目があった瞬間、その一瞬は特別なモノだった

時が止まったみたいだった

その日から目が会う回数が増えて行った


無口でシャイなのに仕事の事で質問すると

熱心に饒舌になる所

見た目は、ちょっと軽い感じなのに仕事が丁寧で綺麗好きな所

重い物を持っていると気にかけてくれる所

期日ギリギリの製品の取り扱いの時に心配して何度も様子を気にしてくれた

私を見る瞳が優しくてドキドキさせられた

あっという間に私は彼の魅力に惹かれてしまっていたんだ

会社に行くのが楽しくなって私の活力になった


ストレッチや食事に気をつけてダイエットしたり、少しでも綺麗で若くいようと努力出来た

ネガティブだった考えをポジティブにして行ったり、大嫌いだった自分の事も少しづつ好きになれた

いつの間にか「どうせ自分なんて」と思わなくなっていた

彼との出会いが、きっかけで私は少しづつ変わって行ったんだ

15年間本音で向き合う事が出来なかった旦那とも話し合う勇気が持てた

旦那には凄く気を使って、腫れ物でも扱うような対応をして来た

好きな事を好きなようにやらせてきたし

言いたい事も呑み込んで来た

それが正しいと思っていたし、自分が我慢すれば誰も傷つかないし、平和だとさえ思っていた

まずは、今の関係を改善したい旨

夫婦仲良くして行きたいという訴えはスルーされた

次に今の家計ではやりくりが難しい事

一緒に考えて欲しいと

会社員とバイトの両立をしても足りない

家計は火の車だと

でも、旦那からの返答は

「家はお前が勝手に買ったんだし、やりくり出来ないと言われても困る」

「バイトも勝手にやってるんだろう」と

もう何も言えなかった

自分なりに一生懸命やって来た

それを認めて

「これからは一緒にやって行こう」と言って欲しかったのに、、、、

他人には認めて貰え無くても、頑張ってるって理解してくれるたったひとりの味方でいて欲しかったのに

それが夫婦じゃないのかな?

15年一緒に居て、私の事は何ひとつ理解してくれていなかったという事実を知る

一生懸命一歩一歩歩んだ先には綺麗な景色が広がっていると信じていた

「ここまで歩いてきたね」

振り返って見渡す景色は美しい物だと思い込んでいた

現実は何も無いただの谷底だった

自分がコツコツ頑張って来た事とは反比例して知った事実に虚無感を覚えた

このまま頑張ったとしても達成感は得られない気がしたんだ

価値観の違い?

夫婦でいる事への違和感

恋愛感情はとっくに無くなっていたけど、人間としてさえ愛されて居ない現実

"離婚”という言葉がよぎった

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