Ishtar Feather

yui-yui

0 Prologue


女神の羽根Ishtar Feather


 いつからかは判らない。


 そういう名の歌が、数年前からこの街界隈のインターネットを介して広がっていった。


 誰の曲なのか、いつ生まれた歌なのか、知る者はいない。


 アコースティックギター一本を伴奏に唄うその声は、女神の唄声と評され、聴いた人々の多くを魅了していった。


 誰が唄ったかも判らない、たった一曲。


 それは奇跡の歌。


 同じ曲も、同じ声も、同じ歌詞も、存在しない。


 ただ、聴く者に感動を与えるだけの、ごく当たり前の歌。


 何の権利も、権威も、利益も、傲慢もなく。


 歌の持つ本来の姿を、世界中のどんな名曲よりも現していた。


 歌の持つ本来の力を、世界中のどんな名曲よりも現していた。


 聴きたい者が自由に聴ける。


 唄いたい者が自由に唄える。


 ただそれだけの、本当に当たり前の歌。


 当たり前であることが奇跡であることを証明する歌。


 そして


女神の羽根Goddesses Wing


 いつしか、その歌を唄った者は


 歌の女神ディーヴァと呼ばれるようになった。



 0 Prologue END

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