第1章 第1話 全ての始まりに新たな出逢い
---本当だったら、今すぐにでも「おやっさんと女将さん」を救いたかった。---
だけど叶う事は出来なくて、あの時のわてはなんて無力なんだと思い知る。
もちろん、赤の他人のわてらも家族として同じ様に見てくれた。
ここまで育ててもらったのに、他のチンピラにボロボロにされた時に助けてくれた。
その恩を仇で返すなんて、わての・・・俺の威厳が許さない。
今は
おやっさんと女将さんが、第一に守らなきゃならない二人の息子なんやから。
「
「馬鹿な事言ってんじゃねえよっ!俺らも一緒に戦いたいっ!」
「何言っとんねん!
「お前らも無事で、戻ってこい!」
「分かってます!」
「おやっさん・・・女将さん・・・
崩れ行く建物を見て、わての命も危なくなる。
おやっさんと女将さんの遺体を置いて行くのはしのびないが、堪忍したって下さい。
骨を拾えなくて、ほんまにすいません。
「龍さん!逃げてくださいっ!」
頚嵐が叫んだその時、火が着いたガレキがわての目の前に落ちてきた。
仲間も「やつら」に射殺されてる。
こんなの
でも正直かばって死ぬなら、後悔はしない。
流石におやっさんと女将さんに、怒られそうだけど。
だけど、少しは年上としての・・・血の繋がらない『兄貴』としての責任をはらせてくれや。
大事な人やから・・・。
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