第2話
「田辺恵一だな」
珪砂が麻雀店から出てきた男に
呼びかけた。
「チッ、お約束か」
「何が」
「マージャン店」
「テメェがやってたんじゃねぇか」
珪砂が田辺に足払いをした。
コケる田辺。
「ついてこい」
珪砂がそういうと、観念したように
田辺が珪砂の後についた。
取調室は夏の熱気で蒸し風呂のようだった。
「オマエが、ホストの飯島を殺したんだろう!」
珪砂が机を叩いて大声を出した。
「やってねぇよ」
田辺が椅子に凭れて頭の後ろで手を組んだ。
「ケッ、テメェに決まってんだよ」
「旦那、勾留期限が迫ってます」
チビが急かした。
「わかった」
珪砂が自分のこめかみに人差し指を当てて
「バーン」
と、叫んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます