行こうぜ!俺がレイプした女が幽霊になって有名になってるよ。
シバゼミ
プロローグ 無職皇帝
パチンコ店の休憩所。テーブルにはぬるいコーヒー。黒いソファーに寝そべりながら求人雑誌をめくる小泉がいた。
ちょうど28歳。誕生日にと打ち込んだが、あっけなく返り討ち。止めておけばよかったものの、財布は空っぽ。明日からの生活費もつぎこんでしまった。
最悪のバースデー。運もない。貯金もない。友人もいない。仕事のしの字も忘れた。伸びきった鼻毛にむさいヒゲ。スウェットの上から
え~と。工場のラインに交通誘導、レストランの皿洗いと。
いや、なんだ? ガバッと、跳ね起きる。
「日給12万円? 資格や免許も一切なしだって!」
驚きの声。さらに、送迎ありで即金手渡しのありえない好条件にツバが飛ぶ。
ただ、どうなんだ? 仕事はシークレットだって?
写真つきのプロフィールだけ送ってくれとの一文だった。
まあ、犯罪の片棒だろう。それでも、ありあまった時間に思わずメール。すると、あっという間に返信がきた。
明日にでも迎えにいくから、どこにいる? そこからはトントン
今思えば、いつまでたってもさえない人生。落ちるところまで落ちてみようという好奇心。どのみちメールは必然だった。
遊び半分、このパチンコ店で落ち合うことが決定した。
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