第13話 確かめたい……けれど

朝、ウチの隣が突然更地になっていた。あの家族と家はどうなってしまったんだろう。昨日まではそこにいつもどおり在ったのに。


更地に人が集まっている。数十人。だけど静かだ。声も出さず粛々と踊っている。たぶん踊っているんだと思うが本当のところはわからない。儀式なんだろうか。ちっとも楽しそうじゃない。正直、ちょっと怖い。


晩、帰ってきたら、ウチの隣にはいつもどおり家があり、部屋の窓には灯りがついて家族の気配が感じられる。

気がつくと隣家の呼び鈴をわたしは押していた。


こんばんは

と挨拶をしてみたが後がつづかない。

目の前にはよく知っている隣の奥さんがいるのだけれど、知らない人のようでもあった。


喉が渇いてきて、うまく声が出ない。


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