第3話 ひまりとひまわり。

ひまりは目をキラキラさせて箱の説明を食い入るようにしてみていた。

「うーん、火を吹いたらかっこいいけど、庭にあるひまわりももっと育ててほしいなぁ。

でもでも…全部きになる。」

思ったことをすぐに言ってしまうひまりは今日も盛大にひとりごちる。

「あっそうだ!」

ふと思い立ったように自宅の庭に向かったひまりは腕いっぱいにひまわりを抱えていた。

そして何を思ったのか花だけをちぎりとりお湯に浮かべ始めた。

「よろこんでくれるかな?」

以前母親がゆずをお湯に浮かべていたのをみて、ひまわりはこれから生まれてくる子のために自分の大好きな向日葵を用意していたのだった。

そうこうしているうちに、浴槽にはお湯が溢れるほどたまっていた。

そしてひまわりは箱からたまごをとりだした。

見た目はひまりの片手になるようなサイズではあったが、深い紺色味を帯び星々のような小さな輝きが散りばめられたような神秘的なものだった。

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