第14話 まなちゃ、苦労す。

 魔法も使わず、汗水垂らして稼いだお金と、それまでの蓄えで、私は必死に、まなのプレゼントを用意した。


「ったく……なんでこう、高いものを頼むのかしら」


 本でさえ一冊、数十万するような代物なのに、時には、数千万のものを頼んできたりもする。


「こっちの苦労も考えなさいよ、まったく……!!」


 怒る相手は自分。夢を与えてもらったのも、自分。幸い、私には、知識があり、効率のいいお金の稼ぎ方は学んでいた。


「騙されて、借金背負わされた気分ね」


 タダより高いものはない。この言葉の意味を、私は初めて、身にしみて感じていた。


「何これ、読めない……」


 手紙が来てしまった。読めない。なんと書いたかも、書いてあったかも、思い出せない。


「このドングリは覚えがあるんだけど……!」


 ――と、とりあえず、ありがとう、とでも書いておこう。

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