お金がなくても、皆の愛で生きていく。
神石水亞宮類
第1話 お金がなくても、皆の愛で生きていく。
ぼくは、貧乏学生でいつもお金がない。
お金がないから、ご飯を食べるのも毎日必死だ!
安いぼろアパートで、4畳半の部屋に一人で住んでいる。
薄い壁で仕切られているから、隣の声が丸聞こえ。
トイレは共同、風呂無しで銭湯に行くお金もないから
タオルを使って、台所の水で体を3日に1回拭いている。
女の子に汚いと思われたくないぼくは、見た目だけでも
オシャレにしようと一張羅の服を毎日着るようにしていたんだ。
洗濯機もないぼくの部屋で、バケツに水を入れて洗っているよ。
半渇きにならないように、ドライヤーで少しだけ乾かすんだ。
後は、自然乾燥のみ。
パンツもシャツも2枚ずつしかないから、洗うモノと身に着け
ているモノしかないんだ。
破けたり伸びたりしても、着続けているよ。
お金がなくても、僕は幸せだ!
近所の商店街のお店で、ぼくがお腹を空かせて歩いて行けば?
おじさんやおばさんが、ぼくの為に“タダ”で料理を出してくれる。
『おや? また腹ペコできたのか?』
『・・・ううん。』
『さあ~中に入って! 美味しい料理を作ってあげるから!』
『ありがとう、おばさん!』
『別にいいよ! 満雄ちゃんには、いろいろ助けてもらってるからさ~』
『・・・ぼくは、別に、』
『いやいや? ホント! おばさん、助かってんだよ!』
『そう、良かった。』
『さあさあ~食べな! 食べな!』
『うん! ありがとう!』
・・・以前、ここの店主のおばさんが、道端で倒れてたんだ!
ぼくは、咄嗟に救急車を呼んで、ぼくも病院まで一緒に着いて
行っただけだよ。
でもおばさんがは、その時の事を凄くぼくに感謝してくれてる
みたいで、お腹が空いたら? このお店に行くとタダで料理を
出してくれるようになったんだ。本当に、ありがたい事だね。
他のお店でも、似たような感じでぼくが行けば料理をタダで
出してくれるお店が何件かあるんだよ。
忙しい時に、ぼくがお店を手伝ったとか?
お店の息子と仲良くなったからとか?
理由は、いろいろだけど “タダ”で食べさせてくれる事が
ぼくは嬉しいし凄く助かってる!
お金がないから、食べる事は命がけなんだよ。
それと? ぼろアパートの家賃や光熱費を稼ぐのが大変なんだ!
ぼくは、貧乏学生と言ったのだけど? ぼくは浪人だから。
ほとんど、学校には行っていない。
毎日バイト尽くしで、朝は新聞配達をして、昼は喫茶店でバイト
夜は工場で夜勤の仕事。
掛け持ちしても、家賃や光熱費、食費を払うのがキツイ。
実家の母ちゃんに、毎月仕送りをしているからだ。
月に10万円、母ちゃんはぼくを女手一つで育ててくれたから
大人になって、ぼくが働けるようになったら実家に仕送りする事
を心に決めていた!
母ちゃんに、少しでも楽させてあげたいからね。
ぼくの母ちゃんは、泣き言をいわない明るくて笑顔の似合う強い
女性だと思っている。
ぼくは、母ちゃんの子供に産まれて来て良かったと......。
だから、母ちゃんにだけは迷惑を掛けないように生きていくとも
決めていた!
人一倍! 努力してぼくを育ててくれた母ちゃん。
父親が居ない分、厳しくもあり優しかった母ちゃん。
ぼくの為に、寝る時間もないぐらいに働いて育ててくれた母ちゃん。
弱音も吐かず、いつもぼくの為に頑張ってくれた母ちゃん。
ずっと、ありがとう......。
ぼくは、たくさんの人達の力を借りて、毎日頑張っている。
だから、母ちゃんも元気で病気しないように頑張って!
ぼくの大切な母ちゃん! 何かあったら? いつでも直ぐに母ちゃん
に会い行くから! 無理しないようにしてね。
ぼくは決して! 一人じゃない!
皆がぼくを助けてくれるから、今こうして生きていられるんだよ!
お金がなくても、皆の愛で生きていく。 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru
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