PVでも☆でもランキングでもない数字のお話
本文で表記する数字って、どうしてます?
私は「漢数字であることが望ましい」と、ずっと思っていました。
そうであれ、みたいな解説サイトをずっと昔に見た記憶が残っていたのです。
たしかに書籍化を意識すると、いずれ縦書きになることを考えたら漢数字の方が良いような気もします。
でも、異世界ファンタジーでよく見るステータスが縦書きになったら、どんな風に表示されるんだろう……。
「縦書きの場合は漢数字で」という考え方が、もしかしてもう古かったりするのかな。
そこで自分なりに考えてみたのです。
この数字は『数』を伝えたいのか、『言葉』を伝えたいのか。
それを伝えるためには漢数字と算用数字、どちらがより分かりやすいのか。
例えば年数。
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①一九五八年~二○二二年
②1958年~2022年
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年数は『数』を伝えたいのです。
①と②はどちらがよりわかりやすいですか?
私は直感的に②だと思いました。普段の生活で一番よく見る形式だからです。
「だいたい60~70年くらいか」と、ぱっと頭の中に数字が思い浮かびました。
じゃあ次、縦書きにしてみましょう。
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① ②
一 1
九 9
五 5
八 8
年 年
~ ~
二 2
○ 0
二 2
二 2
年 年
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無理やり縦書きにしたのでちょっとわかりにくいのですが、ご勘弁を。
漢数字の場合は、頭の中で算用数字に置き換えるというワンクッションが存在します。
でも縦書きの場合は不思議と①の方が見やすい。これも一つの「慣れ」だと思います。
何が言いたいのかというと、伝達力と読みやすさは縦書きと横書きで違う。
なら、作品を読んでもらう媒体をベースに考えたらいいんじゃないだろうか。
私は書籍化なんて夢のまた夢の底辺作家なので、しばらくは投稿サイトで読んでいただくことがメインになるでしょう。
WEB小説は往々にして横書きです。
であれば、『数字』を伝えたい場合は算用数字の方が、読者様はきっと理解しやすいはず。
そう思ったら、それまでの頑固一徹漢数字縛りから自然と解放されていました。
縦書きになるのはきっと、奇跡が起きて書籍化された時か、自分用に一冊刷った時。
「だったら必要な時が来たら漢数字に直せばいいんじゃない?」と思えるようになったのです。
今読んで下さっている方々に対して、自分の伝えたい情報を正しく伝えるため、臨機応変に対応していく。
これが、今の指針です。
ここまでが『数』を伝えたいお話。
次は『言葉』です。
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①2044年12月31日、彼はようやく一仕事を終えた。
②2044年12月31日、彼はようやく1仕事を終えた。
③二○四四年十二月三十一日、彼はようやく1仕事を終えた。
④二○四四年十二月三十一日、彼はようやく一仕事を終えた。
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……おわかりいただけたでしょうか?(ホラー風)
「この文章で適格なのはどれ」と聞かれたら、きっと①か④に絞られるはず。
『1仕事』ではなく、『一仕事』という『言葉』ですよね。
『言葉』として正しく伝えたい時は漢数字。
当たり前ですが、正しい日本語を使おうということです。
ちなみにさっきの『数』の話を踏襲するなら、私は①が好みです。
年月日のイメージがつきやすく、一仕事という正しい言葉を使えているので。
と、色々と語りましたが。こんな風に思えるようになったのはつい最近なので、序盤の作品では数字がごちゃごちゃしていて恥ずかしいから見ないで下さい(笑) ……嘘ですたくさん見てほしいです(ド正直)
それでですね。
これまでの話を全部ぶち壊すようになってしまうのですが、数字は「好み」でいいと思うんです。
「自分の伝えたいことを正しく伝えられるのはこれ」「自分がやりたい表現はこれ」など、作者様の意思がそこにあれば、それでいい。
「文法的に間違っているので漢数字を使用した方がいいですよ」
「算用数字と漢数字がごちゃごちゃになっているので統一したら?」
……こんなどストレートなご指摘をいただいた日にはちょっと凹むだろうけど、これが私の考える「読みやすい文章」なので、いいのです。
「一つ、1つ」「一個、1個」「一人、1人」なども好みが分かれるところ。
数字って奥が深いですね~。
こんなに色々書いたくせに「一桁までなら漢数字でもいいんじゃな〜い?」などと考えてる頭ユルユルな私もいます(笑)
皆さんは数字に関するこだわりってありますか?
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