必至にに訴える

 ただしくは「必【死】【に】訴える」。


 二つやっているパターン。

 私は推敲の際、紙に印刷したものを読みながら、まず赤ボールペンで誤字を囲みます。そののち、大量の赤の入った原稿を見ながらデータを修正していきます。打ち直すと問題のあった箇所に蛍光ペンでマークをつけて、修正漏れを防ぐようにしています。


 今回のケースでは最初の〔に〕の一文字にしか赤ペンで囲っていません。見ようによっては〔至に〕を囲っているようにも見えるのですが……おそらく「おいおい〔にに〕ってなんだよ。一個多いよ」と紙原稿を読んでいたときは〔至〕を見逃していたのでしょう。死に至る過ちです。


 想像するに一度「熱心に」としたものの、ここは「必死に」のほうがよかろうとデリートキーを叩いて、打ち直したのだと思います。それで〔に〕が残った。

 さらに想像するに推敲のときに違和感をおぼえたのは〔必至〕」の部分でしょう。ただ「にに」のほうに目がいってしまった。

 なんで〔必至〕なんて出たんでしょう。一時期、将棋を題材にしたものを書いていたのでそのせいでしょうか。


 蛍光ペンはきちんと〔至に〕の二文字ぶんマークされているので、打ち直しの際には気付いて〔必死〕と直したのでしょう。


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