地区年数

 正しくは「【築】年数」。


 これは文章作成ソフトと人間の頭の違いでしょうか。私の頭の中は「ちくねんすう」という一つのかたまりなのですが、ソフトは「ちく」プラス「ねんすう」と二つの要素としてとらえるのでしょう。「ちく」という音を漢字変換する場合、一般的な使用頻度は「築」よりも「地区」が高いでしょう。最初に「地区」と変換されてしまうのは無理もありません。

 ところが私の辞書には「不可能」はありますが「地区年数」など存在しないのです。「ちくねんすう」と打ったら、もう築年数以外にはありえへんやろ、となってしまい見落とすわけです。文章の流れからして「築年数」というワードというものが頭にチラついているので、なおさらミスを見逃すわけです。

 推敲するときは文の意味やお話の内容といったことを一旦、頭からご退出いただかないといけないようです。シンプルに「誤字を見つけるマシーン」に徹するか、「誤字検出ゲーム」に熱中するほうが恥をかかずに済みそうです。

 ちなみにこの誤字、数年前に一次通過した某賞の原稿から見つかりました。二次通過できなかったのはこのミスのためではなく内容なのでしょう。ですが、もしかしたらあのミスさえなければ二次通過していたのかもしれないんだぞ、と勝手に思い込んで今後の推敲にのぞむことは悪いことではないはず。

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