カクヨム作家のベクトルは何処へ

羽弦トリス

第1話出会いはエッセイ

今から2年半前、あるカクヨム作家のエッセイを読む。


「雨の中を歩く」ブリュヴェール著。


僕はこのエッセイを読んで、心を打たれた。

なんて、美しい文章を書く作家だろうと。文面からして、女性のものだと推察したが、それをきっかけにブリュヴェールさんの作品を読むようになった。

また、「独り言ノート」を読んだら引っ越しの真っ最中。

「誰か手伝ってくれる人はいないのですか?」

が、僕の初めてのコメント。

彼女は1人で引っ越し作業中であった。

お酒の話しになり、盛り上がりTwitterからLINEの交換をしたのが全ての始まり。

プロフィールにもあるが、彼女はMtF。

だが、とても前向きで明るい。

2年前、初めて名古屋に大阪から来てもらった。


名古屋駅の新幹線出入口の時計台の前で待ち合わせした。

指定の時間に、ブリュヴェールさん(あだ名がせんちゃだから、以後せんちゃ)が現れた。

デッカなバッグを抱えて、ドイツの軍服のような格好に驚いた。

この時の話しは、今でもたまにする。

コートが軍服に見えただけだ。

「初めまして。羽弦です」

「ハァハァ、初めてまして」

と、僕は地下鉄を案内して自宅へ向かった。12月のクリスマス前後だったのでとても寒かった。


取り敢えずウェルカムドリンクの代わりに、うどんの三嶋屋で瓶ビールを飲んだ。

その時期、仕事が見付からず貧乏だったので、年越しのオードブルはせんちゃが買ってくれた。

飲みに飲みまくった。

お風呂は順番に入り、炬燵でウイスキーを飲んだ。

あんな、貧乏な年越しはこれまでに無かっただろう。

でも、楽しかった。

それを機に、定期的にせんちゃが僕ん家に来るようになった。

この後、命の危機に彼女が現れて助かった話しがあるが、これはまたいつか。

そうこうしているうちに、スゴいエッセイを書く男をスコップした。

その名は、ヒロサカリュウイチ。(以後、ヒロちゃん)。

ヒロちゃんは、天才だった。

その天才ぶりは、次回。

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