わが句帖
佐伯 安奈
1 結氷期
むなしさのきはまり充ちて結氷期
逝く人の声の如くに秋の風
時に岸なし雲の影さえゆらめかず
撲殺ののち薫風の清き朝
日々の死はざくろの中に埋もれけり
薔薇朽ちて嬰児の顔の如き色
虚無僧花
(虚無僧花…「ヒメオドリコソウ」の名前の方が一般的。ホトケノザにやや似ているが、上から覆い被さるように茎の周囲に数枚の葉がつく点が特徴的。その閉鎖的な佇まいを虚無僧に見立てたのかもしれない。歳時記には載っていないと思われる。)
沈丁花「時には昔の話を」と
世はいつも散りし桜を追ふばかり
夜桜や彼岸から来る救急車
胸ひとつ挽歌やまざり桔梗咲く
若き日は
さくらさくら国敗れても開き散る
ダビデ像
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