第15話 査察は抜き打ちでやらないと。意味が無いですものね。
「……学園からの依頼内容や条件については、後日よね? その査察隊が来るまでには――」
あの
それなりに、準備期間を
余裕を持って対処する事だろう。
「……今日です」
ばつの悪い表情で告げる
「大丈夫よ。学園も混乱しているから、早めの対応にな――」
それはそれで、学園側も本気だと言う事だろう。
特に問題は。
「正確に伝えると。今日の午前中に……さつき様の査察隊が来るらしいのです」
「は?」
「学園にも朝方に連絡が来たばかりで。正直、
「はいはい。もちろん理解してます。査察は抜き打ちでやらないと。意味が無いですものね。もっちー! おーほほほ!……こんな感じでしょ? きっと」
もしかして、通告無しで。
学園に乗り込むつもりだったのかしら?
一言連絡を入れただけでも。良かったと思うべきよね。
「……気が進まない、嫌な予感がする。断って良い?」
「
上目遣いで
これでは、私の方が悪者のご主人様みたいだ。
『ぷぷぶぷ! 今度は、たかさき君が厄介事に巻き込まれてる!
これ見よがしに、あのニートが。
頭の中で
まるで、日頃の行いの報復と言わんばかりに。
「そう言えば、
目的地の学園に向かっているのだから。
質問としての意味合いが全く無く。
「
隣に座るボブメイドさんにも、気を
「平気よ。そのまま向かってくれる? ありがとう」
「承知致しました。
あの事件の現場か。
周囲は自然の木々に
スマホの電波も入りにくい場所だったわね。
あれから、二ヶ月か。
まだ、なのか。
もう、なのか。
私にとっては。
感覚が
はたまた、私としても。
あの事件を。無かった事にしたい表れなのかも?
こんな風にぐるぐる考えてる時点で。
呪いも相変わらず――作用しているのだろう。
それにしても。
今回は、更に奥地に行くのね。
このまま連れ去られたら、私を見つけられるのかしら?
とりとめもなく、不吉で物騒な事を思いながら。
向かって行くのであった。
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