復讐を誓う男

寝る人育つ

復讐を誓う男2


人物像を前回書いていなかったのでついでに今作で書いて置きました


最後ら辺少し変かも








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家族の命日から3日が立った日のこと


讐殺しゅうさつ!」


学校備品であり、ぼ……俺が借り使用している机をバンッと叩きながら明がやってきた


黒髪黒目の日本人然し、それでいて高身長に容姿がととのい、性格もよく勉学にも精通しさらには運動神経も抜群。そして何より生まれがよく、裕福な家に産まれながらもその性格からか皆を引き寄せリーダシップもある。まさに全世界の理想な男を体現したような男


そのような男が今まさにぼ……俺の目の前に、いるわけであり。いつもは整った髪も所々テンパり、息もえの様子である



(面倒な予感がするな………)


明は慌てた様子であった。それ異常な程に


少しの厄介くらいならば、これ程までに慌てることはないと言える。明は幼い頃から、英才教育にて何事にも冷静に対処し余程のことが無い限りは取り心を取り乱さないよう訓練されていたからだ


今はどうだろう。ぼ……俺の所まで急いできたのか、呼吸も乱れ物凄い慌てよう


「はあ……何があったかは知らんが、朝から煩い。そして落ち着き冷静になれ。話はそれからだ」

「な、それはお前うっ……いや分かった」


ぼ……俺がそう言うと何か言い訳をしようとしていたようだが、ぼ……俺が一睨いちげいすると。途端黙り込み大人しく深呼吸をした



ややあって


深呼吸をすることで、少しは落ち着き冷静さを取り戻したのか髪の毛を手ぐしで整い始めた


(そこまで冷静にれと言ってないのだが………)


ぼ……俺は明に対して早く話せと心の中では思いつつも待っていると


「お前自分が何をしたのかわかっているのか」


そんな発言をされる


(はて、明は何を言っているのか……思い当たる節が有り過ぎて分からない。今更一つくらい知られた所で、明の護衛依頼には何の支障もでないからな)



「お前その顔は心当たりがないってやつだな」


(勝手に何か重大そうな事を言うって顔で現れては、対した事ないことで、さらに勘違いで勝手に解決してくれたようだ)


「はあ、ズバリゲームの事だよ!昨日たまたまレートを見れば。一位のプレイヤーネームがお前のと一致したいた……」


(何か言い始めたな……)


明が言いたい事を要約すると、『初めて一週間で何故ランキングに乗り、更には一位になっているのか。俺はもう2年やって、10万位で喜んでいたのに……』だ


やったと言われればやったような……やってなかったような


「なんだそれは」

「な、しらばっくれるつもりか!」


しらばっくれるも何も……


「ん?ちょっと待て、そのゲームの名は」

「ああ、【悪魔の憩い】だよ!お前まさか、やったのか……」


【悪魔の憩い】……聞いたことがあるような……あ、ああ。あれのことか


「思い出したよ。確かに一週間前1時間だけやったのを覚えている」



これは一週間前に遡る…………………




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目を覚ますと、人形の様にサラサラとした艷やかな黒髪に、まん丸とした胡桃色の瞳が特徴の女性が目に映った。この女性は、ぼ……俺が一人暮らしをするにあたり綾野さんからの幾つかの条件の一つ。身の回りの世話をする人を、最低一人雇うこと。を従った結果である


とは言え。ぼ……俺は自分の物は自分で片付ける。それに何より、ぼ……俺は荷物が少ないので食事面のみをやってもらっている。そして綾野さんは過保護だ。隠しているようだが、彼女は綾野さんの直属の部下である。


つまり国……日本の工作員特に殺しを生業としている女性だ。さらには綾野さんの直属の部下ともあり、かなりの腕の持ち主。組織の中では、ぼ……俺よりも上司でもある


そんな彼女は工作員ともあり、様々な資格を持ち合わせており、その一つがメイドであった。多分いや、確実にこれを持っているからこそ綾野さんは彼女を世話係に選んさのだろう


そしてそんな彼女から、ぼ……俺は


『護衛依頼に追加で指定ゲームをしろと上より命令が下りました』


朝起きた時に言われた事がこれだった。



『………ん』


とはいえ、命令ならば従わない訳にはいかない。


なぜなら、基本どのような命令であろうとだ逆らう=死に直結するからだ


そしてぼ……俺が死んでしまってはあの男に復讐が果たせなくなる。ぼ……俺の時は止まり、あの男を殺すことでようやく時が動き出す


だから、ここで死ぬわけにはいかない。例えゲームなどと言う下らない命令であろうとだ




彼女の指示に従い、ゲームを始めた。そして一時間プレイをするなか飽きてしまった


このゲームは、神話などに出てくるソロモン72柱の悪魔を題材に行う格闘ゲームのようで。そこからオフライン・オンラインさらには、個人戦・チーム戦など様々な機能が付いている訳だが……


ゲーム始めた1試合目はそこそこいい試合だった気がする。だが二試合目以降はゲームを理解したのか、開始直後に勝っていることがザラであった。後半は少し耐えていた者もいたがその限りではない


そんな事もあり、一時間もすればやめてしまったのだ




――――――――――――――――――――――




「って違う。三日前の事だよ!」


ぼ……俺がわざわざ明の為に回想を入れてやれば急に大きな声を出してきた。


(はて三日前……)


「まさかお前讐殺三日前のことすら忘れたのか」


(何かしただろうか)


明は呆れた、と言わんだかりにため息と共に首を左右に振った


「興味無い物は覚えなくていいだろうに」

「はあ〜まあいい。これは今に始まった事ではないからな」

「で、なんでここに来たの?」

「おい」

「言っただろ。興味ないことは覚えない主義だと」


「いやいやいやいや、それ本当に言っているのか!俺は一応雇い主なんだが」

「雇い主ではなく、雇い主の孫だから。それにぼ………俺にとって明はあくまでも護衛対象にすぎない」

「え!」

「冗談だ」

「心臓に悪いぞ。お前が言うと冗談には聞こえないからな……」

「で、なんでここに来たんだ。要件を言え」

「そっちは忘れているのかよ」

「何回言わす、興味ない事は覚えない主義だ」


はあ、もういい。明はそんな呟きと、共に話し始めた



…………



「はあ、いいかもう一度言うぞ。お前本当に三日前のこと覚えてないか」

「ああ」


明があそこまで取り乱す事態のことなら、確実に覚えている筈だ。ならば記憶を消されたか


いや、ぼ……俺がそのような失態を起こすはずがない


ならば何でも無いことが大きな物に発展した?


それはありえない、なぜなら三日前。唯一俺は僕・・・として認め。よわい己をさらけ出せる日なのだから


そんな大事な日に、依頼は受けていない


それならば、ぼ……俺と分かられたあと明に起こったこと

か。それは間違いなく否だ


そもそも明は、ぼ……俺に対し“覚えてないか”と聞いている。これは言わば、ぼ……俺が確実に知っていると明は確信しているからだ。


ぼ……俺の情報門はそんな甘いものではない。昨日ぼ……俺と別れたあとの明に関しては既に把握済みである


つまり、ここで言う“覚えてないか”には当てはまらない


「清水さんのことだよ」

「清水さん?それがどうした。なにかあったかな…そもそも会話すらしたことないぞ」

「これは……」


「明!」


ぼ……俺は声を押し殺しながら、明に話しかけた。


(な、まさかここは学校だぞ)


何処からだ?尋常ではない殺気だ。このぼ……俺からこれ程の殺気を漂わせながら、場所を察知出来ていない。いや逆か?このやり方は……


「何があった」

「殺気だ。それもかなりヤリ手殺し屋だな、この場ではヤリ殺し辛い。移動する」


(ふー)


………仕事の時間だ



ぼ……俺たちは急いで、教室から出る訳ではなく。あくまでもトイレに行く体で教室を出た。


勿論急いで出るに越した事はないが、相手は本物プロヤリ手殺し屋であることは分かる。


何故か。それは一つだこの殺気は知っているからである。本来殺し屋は、殺気を殺し確実かつ証拠を残さないよう裏工作をする。ただこのやり方は最近裏社会で噂されている“D,”である可能性が高い。


“D,”……こいつは裏工作はおろか、証拠を残しまくる言わば露出狂である。だが未だ特定には至っていない。そのことから我々……否裏社会も含め奴を“D,”と呼んでいる


だからこそ。ぼ……俺にとって相性が悪い。奴は隠さないからこそこの場教室・廊下やり仕事かねない


「不味いな相手が悪すぎる」

「そんなにか?」

「ああ……」もしぼ……俺の予想があっているならばな。


そして急いでは行けない理由はもう一つある。それは……



「ああ、あれみろよ明!」


ぼ……俺は偶然を装ったように、明の背中を叩きながら少し前に押した



シュ



先程まで明の頭がある位置に何かが通った。


(これは……毒針、か。それも最新の技術で作ったものではない。即刻性の毒だ)


流行らないぞ。今は即刻性より証拠を残さないよう時間が立つに連れ死ぬように改良されている。


それも……


「って、明すまん押しすぎたな」


すかさず、明の肩を持ち引き寄せる



シュ



またしても明の頭があった位置に、寸分違わず空を通った


(毒針ではない!)


まずい……そんな予感がしたときには遅かった



シュ



(グッまさか気がついたか?いや、殺気はまだ俺には向いていない)


ただ今ので幾つか確信がいった。まず、今回の襲撃は“D,”であること。そして………“D,”は教室内にいることだ


(それにしても……)


不覚を取ったな。多分だが最初の一撃目は囮。そして逃げ決めつまり殺気を全く感じ取れなかった一撃は、“D,”ではない。だが“D,”に協力者がいるとは考えにくい


独断かそれとも、ぼ……俺が狙い、か…


もしそうだとしたら不味い事態だ。“D,”だけでもこの状況下では厄介なのに、もう一人


相性が最悪だ。“D,”は殺気を漏らす。いや殺気を敢えて放つタイプに対し、普通……プロ殺し屋は殺気を極限まで抑える。


普段のぼ……俺であればプロ殺し屋が数人相手であろうと負けない自信がある。無論相手が二人ならば確実に仕留める事が出来るだろう。


だが今は状況が全く違う。“D,”の殺気により感覚器官が狂いそうな程に使い物にならない。例えるならばそう……嵐の中前が見えず、更には暴風によりまともに歩くことすら許されない中、何処にあるのかも分からないたった一つの花を探す様なもの


そう、巨大な妨害には、それだけの存在感がある。無論嵐が無ければ、花など簡単に見つかる。それも二つ三つと増えようが、だ


だからこそ、この状況に置いて“D,”は嵐であり、殺気は暴風になりうる。そしてもう一人のプロ殺し屋こそがたった一つの花なのだ


(状況が変わった)


あくまでもぼ……俺に課された依頼は明の護衛であり、明の環境は契約外。勿論常識のもとで緊急事態でない限り周りに被害を出すことは許されないが。今は別だ


周りを巻き込んででも明を守らなければならない。故に……


「明走るぞ!」


ぼ……俺はあえて声を大にし、明の手を握ると走り出した。この結果が吉となるか狂となるかは分からない。ただ今の最善手はこれだ。


なぜなら“D,”は証拠を隠さす。必ず目の前に現れるだろう。そしてもう一人プロ殺し屋に関しては、大体の場所は掴んだ。


それに奴ならば、近いうちに追撃を仕掛けて来ることはないと考えている。当たり前だ、二撃も撃ちながら生きている。それはただ運がいだけではなし得ないこと。


つまり裏の人間だと気づいたはずだ。ぼ……俺ならば一旦引く。あるいは、ぼ……俺個人的に恨みがある場合だ。


それなら尚もいっそ二撃で仕留め残った時点で引くのが吉となることは理解しているはずだから


ただ一つの可能性を除いて……




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side:清水


「せっいっなっ!遊ぼ!」


後ろから幼なじみであり私の一番と言っても差支えない親友椎名 未果が声を掛けてきた。


「うん良いよ。ただ今日買い物を頼まれてるから、何時ものようなことは出来ないけどいい?」

「いいよ、全然。私は聖菜せいなといたくているんだもん」

「クスッもう未果ったら、でもありがと。それと未果がいいなら行こっか」

「うん。よし!善は急げって言うし、レッツゴー」


未果はその掛け声に合わせ私の背中を押して行くのだった


ここで私のことを少し説明しようかな。先程未果が言ってたように、私の名前は清水しみず 聖菜せいな。容姿端麗、成績優秀おまけに性格までも良く。先生方からは一目置かれ信用されており。人間関係においても良好である。


そんなこともあり、私は少しモテるらしい。


なぜ“らしい”なのか。それは告白自体されたことが無いからだ。少し自信を無くしちゃうな



…………



「聖菜、今日ありがとね」

「全然良いよ。私の方こそ買い物に付き合ってくれてありがと」

「うん」


「じゃあ私いくね。またあした」

「うん、またあした」


こうして私はショッピングモールを出て、家に帰宅するなか


偶然だった……


時刻は18時……10月とはいえ少し辺りが暗くなり始めた頃合いだ


公園にそれはいた。


そう私のクラスメイトの綾小路君だ。それも物凄く落ち込んでいるようにも見れた


(どうしたんだろうあんな所で)


気になった私は綾小路君に近づくと、綾小路君が何かを呟いていた。



『どうして僕だけ生き残ったの、どうせなら僕も一緒に死にたかった。あい、たいよ』


それはか細く、そして恐ろしいまでに悲しさを私に与えた一言だった


私はいても経っても入れず


「あれ綾小路君?どうしたんですか?こんな時間にこんな所で」


あくまでも自然体で話しかけた。


「清水さん?」


私が綾小路君に話しかけたとき、ピクリと体が跳ねた。そして恐る恐るといった様子で私を見み、疑問を含み頼りない声音で私の名を呼んだ


“酷い顔だ”


私の脳裏に一瞬だがそのような言葉が過ぎった


(私は最低だ)


綾小路君は苦しみ、そして悲しんでいたからこそ、目は腫れ真っ赤なっている。私は綾小路君の苦しみや悲しみなど、理解は愚か理由すら知らないのに


昔からそうだった、私は人の人の気持ちを深く知ろうとしなかった。だからだろうか


私は彼を……綾小路君をこの苦しみから悲しみから、守り救ってあげたいと考えてしまった


いえ、違いますね。これは言い訳であり、私の自己満足に過ぎません。本当は……のかもしれません


私は幼い頃誘拐された事があります。両親と離れ離れになり、恐怖し何もかもが信じられなくなりました。そんな時です名前や顔、さらには性別すら知らない人が扉を壊し現れたのです。そして


『よく頑張った。ここからは任せて、と』優しい声音そして優しいく頭を撫でてくれた。


そこまでが私の記憶で、私の過去。


だからこそ私には分かります。今の綾小路君を放っておけないことを。そして必要なのは、人の温もりであることも



「はいそうです」


私は綾小路君の頼りない言葉に対し、それでも明るく返事をしました


ただ綾小路君から返ってきた答えは違った


「君には関係無いことだ。ほっといて」


これはとても悲しく、誰かが手を差し伸べてなければ永遠ち続くものとなる。


(だめ)


綾小路君を放ってはおけない。


「いやだって……」

「ほっといてくれ」


私の反論など認めないと言わんばかりに、綾小路君は“ほっといて”を強く発言した。初めてだ、ここで初めて綾小路君が私を見たような気がした。


だから私は聞くことにした。もうそれしか思いつかなかったから


「そうにも行きません。よく見れば目元が真っ赤です。悲しいことがあり泣いていたのですか?」


これ質問で状況が変わるとは思ってもいない。でも言うしか私にはできない


ですが返ってきた答えもまた私の予想と同じ


「関係無いことだ。ぼ……俺に話しかけないでくれ。邪魔だ」


でした。そして続くように


「ぼ………俺はもう行くよ。あ、いい忘れてたもう関わらないで、俺は君みたいなブスとは関わりたくない」


これには私も少し怒りを感じました。でも


(ここで放っておいてはいけない)


ですが周囲を見ても、もう綾小路君はいなかった



…………



「……いな、せいな聞いてる?」

「ご、ごめん」


私が三日前の事を。あれからずっと綾小路君と話す機会を伺った。それに綾小路君と仲の良い、轟君にも聞いてみた


そして今日の放課後私はようやく綾小路君と話せるかもしれない。



ふと、廊下側の窓ガラスを見た。そこには綾小路君と轟君が手を繋ぎ何処かに行こうとしていた


ちょっとした初心である


「ねえってば……」

「ご、ごめん。私行かなちゃ」

「え……」



私は二人の後をこっそりついていくことにした。これが私の運命を大きく左右するできごと




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side:讐殺


やがてたどり付いた場所は屋上前のドアだ。


もし屋上の場合、広すぎる故に明を守る事が出来なくなるから、ぼ……俺だけが残らなければならない。




コツ、コツ、コツ




一歩また一歩と何者D,かが近づいて来ているのが分かる


現状の武器暗具は、ナイフに針が3本、そして薬だ


あまりにも心もとない。


(いや、あるだけましか………)




コツ、コツ、コツ




はずは綾野さんに報告をしなければな……忘れてはいけない。この場は学校であり、いつ誰が見ているか分からない。それならば協力者による裏工作が必然


ぼ……俺は秀夜の手を改めて握り。モールス信号で会話することにした。瞬きでも出来るが、なるべく周囲の警戒を怠らないためでもある


『もうすぐ来るだろう。だから秀夜お前だけで屋上に出ておけ』


これは一つの賭けであり、一番勝率の高いものといえよう。もう既に綾野さんに連絡が通り、数分もすれば増援もくるはずだからである。ならば一番回収しやすく、それでいて“D,”を。下手すると二人を相手にだとやりにくいからだ


ただ最悪のパターンも存在する、敵が3人以上のときだ


明の本人が弱いわけでは無いが、良くて時間稼ぎである。実際その時間稼ぎもあり助かった場面は多々あるが、それも気休め程度である。


だからこそ、全ての可能性を以てしても


勝率は9回やれば1度は勝てる可能性・・・がある程度だ。だからこそ、これは賭けであり。現状もっとも生きる確率が高い選択肢でもある。



コツッ



ぼ……俺はドアノブ近くを、一度ノックした。


(これは………まずい)


「嵌められたか」

「どうした。入らないのか?いつものお前ならこの程度の鍵……」

「爆弾だ」


そう、これは爆弾。ノックの微量な振動波を与え、何処に何があるか分かるぼ……俺だからこそ分かる


扉を開けえうと起動するタイプだと。時と場合によれば爆弾の種類もある


ただその場合予期せぬ出来事で起動するはず……



「“D,”ここまでやる者なのか、恐ろしいな」


いや、だからこそ短期間でここまでの知名度になったのだろ


「悪いが少し働いて貰うぞ。」

「そうか。うし、やるか。」


とはいえ、これはかなり不味い状態だ


狭い空間だからこそ、ぼ……俺一人はやりやすかった。ぼ……俺等の世界同士の戦いにおいて、明が10秒持つかどうか……それも、目的の為ならなんでもやる“D,”という敵を



そもそも明の護衛がぼ……俺一人ってのがおかしい


(ああ、違う。今は)


“D,”が来るまで推測15秒


1秒で戦闘準備、5秒で数個の罠、4秒で殺しのイメージ。


あとは先手で不意を付く



「堕ちろ」


ーーーそれはの瞳を濁らせ、虚ろ目にさせる言葉ーーー


が本気をだす際、必ず“堕ちる”。を討つまでは、俺は僕に戻らないとはいった。だがそう簡単に区切りをつけれるはずもない。だからこそ、完全なる俺になる瞬間“堕ちる”ことが必要だった



6秒が経った。



俺は階段を一フロア分飛び降り、それと同時にナイフを投げた


「おおっと」


そのまま針を2本同時に投げ、“D,”を後退させるよう誘導していく。着地と同時にナイフを回収しそのまま“S,”に斬りかかる



ニィ。



(笑った?)



閃光弾……まず

ピカ、ドゴーンッ



キン


金属と金属のぶつりの音。それと引き換えにする形で目奪われた。


ドドドド


ック。左右と避け。さらに追撃


場所さえ分かっていれば銃などさほど脅威ではない。避けてしまえば終わりなのだから


「調子に乗るなアアア」


今度は鼓膜も使えなくするつもりか。だが、今ので完璧に位置は特定出来た


加速


ドン


ガッハ


“D,”による強烈な一撃が俺にの肋を折った。


まだ


シュ


俺は“D,”にナイフでその足を刺し。そのまま吹き飛ばされ際に針を投げる


「イテエ……イテエエエ」


視界が少しずつ戻ってきた



“D,”がそう言いながら、何かを動かすと


カチャ



なんだ



「キヒ、きヒヒヒッ遊ぶは終わりだ。これでも喰らえ」


何処から出したのか丸いなにかを俺に、投げてきた


(爆弾!)


そんなまさか、そこまで……そこまでするのか!


どうする………いや



さらに深く堕ちればいい


先を読め未来を見ろ、思考の加速


どのような殺し屋でも、2〜3秒程度しか先を読む未来を見ることは出来ない。そして加速もそうだ1,2〜1,5が限度。だが最大まで墜ちた俺は違う


5秒先を読み未来を見、2,4倍まで加速ができる。これこそが俺が何年もこの世界で生きて来れた理由であり才能だ



見る世界が止まって見える。戦闘での思考加速2倍まで高めると、それは最早止まっているようなもの


だからこそ


(違う、これは)


偽物


そのまま突っ込め


「ナニ」


ナイフを1つ2つと投げ。残った一つのナイフを持ち斬りかかる


投げたナイフは“D,”の両肩に寸分違わず当たった


「イテエエエエエエ」


叫び上がる“D,”に心臓を刺した


「ナメルな」



心臓を刺した手を掴まれた


「キヒ、きヒヒヒヒ」


ドン




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side:明


(讐殺!)


なん、な。讐殺がしん……



「今のは死んだかと思ったよ」

「え」


その声を聞いたとき、俺は




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side:讐殺


明の驚いた声が聞こえた。


(時がくるまで隠れとけ、と伝えたはずなんだがな)



……今のは本当に死んだかと思った。腕を捕まれゼロ距離からの射撃だ。当然ながら防弾具を付けていない。


だからこそ咄嗟に足で蹴り、上に打たせた。その結果顔に少しだがかすってしまっているが別状問題ないレベルだ



ハアッハアッハアッ


つ、つかれ………



パチ、パチ、パチ、パチ



「ほう、ぎりぎりではあった、がサード3をその年で単独討伐するとは。恐れ入ったよ」


突然だった。最早“D,”は死んだというのに、眼の前に来るまで気配すら感じなかった


反射的に飛び退いた。


(グっ……“D,”にやられた傷が痛む)


我慢しろいま弱みを握られれば……死


「お、まえ…にもの、だ」


上手く話せない。少しでも衝撃を与えれば、折れた肋が心臓に到達しかねない……


(戦闘になるわけにはいかない)


やるべきことは、時間稼ぎだ


「ふふ、アハハハッ。面白い、非常に面白い質問だよ。私は君がこれサード3がアクションを起こす前、教室にて、君に仕掛けた者だよ。」


な……あれ、は“D,”の影響で認識能力が使えなくなったのではないのか……


「まあ、君は私の存在に気が付いていたようだがね」


何を言って……気が付いているだと。そんなはずがない。完璧に正確な位置を割り出せていない。俺は辛うじて、教室の何処かにいるとしか……


「はっきりに言うなら、最初の一撃で避けられるとは思わなかったよ。クヒ、クヒヒ面白い、面白いねえ」



なんなんだこいつは


「おっと、今の答では完全な回答ではないか。君には……いや、君たちにはもっと明確に分かりやすい名乗りがあったよ。何者か、か。それは“D,”そう、君たちが“D,”と呼ぶ存在だよ」


(は……“D,”はコイツ死体じゃないのか)



「ああ、その反応だよ。最高だ、良いイイイ面白いハアアア。キヒ、ヒヒヒ。そうだとも、ここに倒れているも、間違いなく“D,”だよ。ただ下っ端も下っ端。サード3だがね。キヒヒヒヒ」


な、何を言って……


「ああ、そうそう。これを言いに来たんだった。急がないと、お仲間も来てしまうしね。何分私もまだ死ぬわけには行かないのだよ。『いずれ君たち、いや世界を混沌へと導こう、遊びは終わりだ。』私たちが混沌であるなら、君たちは希望の光ヒーロー。私たちに抗いそして敗北し、混沌の時代を」


「ま、待て」


「今の貴方では、私は愚か新手のサード3にすら勝てませんよ。では」


それだけ言ったのち、謎のいや“D,”は闇へと消えていくのだった


そして俺の瞳は、元の色へと戻っていく



…………




瞳の色が完全に戻ったとき


身体から糸が切れたように力が抜けていく。おそらく、弾丸には何らかのクスリが塗られていたのだろう。


「う…ガッハ」


ぼ……俺は常備している薬を取り全て飲み込む。これはもしもの為に組織より用意され、副作用を極限まで減らした薬だ。


「讐殺!」


(まだ、出てきては駄目だろ。先程も思ったがもう少し己の立場を考えろ)



「あ、綾小路君……い、いや。血が…」


それがぼ……俺の最後の記憶だった




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side:清水


私が二人の後をついて行くことに決めた。そこでふとある可能性が浮上してくた。それは


『これってストーカー・・・・・になるのでは?』


一度頭に入ったそれは、一瞬でその事だけを考えるまで至ってしまう。


(で、でも未果にあんなこと言った手前すぐに引き返すのは……あ)


そっか、つまりストーカーの様な事をしなければいいんだ


そう、今の私は綾小路君に理由も無く、見たから気になり付いて行こうとした。これはストーカー行為になる


でも、理由があればどうだろう。それなら付いて行っても問題ないはず!


そして私は、会う理由が丁度ある!


本来放課後に轟君の紹介で明君に会う予定だった。でもそれは未確定の話


そこで丁度お昼休みのこの時間ならば、タイミングも完璧だ



私は名案を思い付いたとき、綾小路君たちを追い掛けようとしたのだが、そこには既にいなくなっていた



…………



私は見失った綾小路君と轟君を探しに、図書館に訪れた。


そっと入るものの、昼休み入った直後ともあり誰一人とていなかった(先生を除く)



先生と少しお話をしたあと保健室、自習室とよるものの当然の様にいない


途方にくれていると、大きな爆発音が何処からとなく聴こえ、それは連続的な爆発音に変わりが私の耳……学校に全体に響きわる。普通ならば、怖がる場面だ


でも、なぜだか嫌な予感がして体が勝手に動いていた


音の発展地は屋上辺りだと予想される。


「綾小路君………」


自然と声が漏れた。なぜ私はここまで綾小路君の事ばかり考えてしまうのだろ。私と似ているから?それもある、でも日に日に別の何かが私の中で出来つつある


「綾小路君………」


こんなこと始めてで、何が何だかわからない


屋上前階段まで行くと、黒いフードを被った人とすれ違った。そして


「讐殺!」


轟君の叫び声が響いた。私はその声により血の気が引いた様な感覚を覚えながら、急いで綾小路君の場所に駆け寄った



そこに広がっていた光景は、凡そ平和とは言い難い光景であり。今の時代一般人が見る光景ではないもの


綾小路君は肌色は紫掛かっており、血も大量に出ている。そしてその近くには、知らない人がお腹にナイフが刺さり既に死んでいた。


さらに当たりは瓦礫のようになっており、原型を留めている場所も所々穴が空いている状態だった




「あ、綾小路君……い、いや。血が…」


い、や。いやいやいやいや。死んじゃいや!綾小路君……


こんなのって。やだ、よ。あやの、こうじ……くん


最早私は冷静ではいられなかった。この激しい感情は何なのか。私は赤の他人が死のうと、そう悲しんだり拒絶することなんてないと、思っていた。現にナイフが刺さって死んでいる人を見ても、“可哀想”とは思う、でも悲しいなんて思わなかった


それは綾小路君だって同じ、ただのクラスメイト……いわば他人。なのに何なのこれは



私の中で負の感情が支配する。傷ついた綾小路君を見て、悲しみ、悲嘆………何もできない私に、無力を感じ絶望していく。



「死な、ない……で」


自然と弱音が出る。



私は綾小路を知り。初めは悲しく苦しい思いを共感し、“守る”そう使命感があった。でも、この三日間見て、それだけじゃない。


まだこの感情が何かは分からない。でも一つだけ分かる。綾小路君は決して強くない。こては肉体的なことではなく、精神的にもっと幼く。純粋で………


私は貴方綾小路君を守らないと、そして温もりになるん。



「明君、綾小路君は綾小路君は、大丈夫です死にませんよね?」


それからは大変だった。明くんは私がここにいることを驚いていた。しばらくすると、知らない人が数人現れ綾小路君を運んでいった



「すまない」


明君はそんな謝罪を一言いれ、その場から消えていった




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「こ、こは………」


目を覚ますと、白い天井が目に映った


「ぼ……俺は“D,”から毒を…………」


いや、それよりも。やつは何か言っていた。


サード3、と


「サード3ってのは何だ。“D,”は個人じゃないのか」


落ち着け。目的を見失うな


“D,”を殺した。それで今はいい、今考えないといけないことは……清水さんのことだ


見られた?


もし、ぼ……俺の幻聴で無ければ、最悪暗殺裏工作しなければな



讐殺しゅうさつ!」



とはいえ、清水さんを暗殺になると相当骨が折れる。普段る暗殺は、人に恨みを買っているクソどもバカリ故に、裏工作がしやすかった。


だが清水は恨みを買うどころか、周りから愛され過ぎている。少しでも証拠を残せば、死だ


に復讐を遂げるまで死ぬわけにはいかない



「って、おい聞いてるか」


証拠を残さず……やはり手っ取り早いのは燃やす


「なんか恐ろしい事を考えて………」


煩いな


「誰かいるのか」

「お前……まあいい。ようやく目が覚めたか。讐殺、お前は三日間も眠り続けていたぞ」


3日……そうか。


「そこまで強い毒のように感じなかったが」

「ああ、そうだな普段のお前ならば、今回の毒をいくら貰おうと支障はない。ただ今の時期は精神が不安定だろ?」


そんな、ことは……ない、とは言えない


「あ、ああ。その何だすまん」


明のことはたまに分からなくなる


「その、なんだ。偶にでいいからよ、少しは俺や周りのやつに頼れよ。それこそお前は、綾野さんそれに俺や父さんだっているだろ」


まぜ護衛と護衛対象以上の関係を持とうとしてきたのか


「ああ」


ただ一つ分かるのは


「そのお節介がムカつく」

「ハハ、その調子だ」



…………




「話をそらして悪いが、本題に入るがいいか」

「はあ、だよな。暗い話も必要か」


何が暗い話なのか分からないから、無視しよう。ただ人一人を暗殺するだけだ


難易度は高いく、リスクもそこそこある。でも成功させなければ。


だが、独断で殺す訳にはいかない。今のぼ……俺はあくまでも明の護衛兼学生だから


「清水さんのことだが……」

「お、お前から清水さんの……」


煩い明を黙らせる為に、一睨みを入れ。


「黙れ」

「あ、うん」


面倒になりど直球に聞くことにした。


「清水さんは殺した方がいいのか」と



「は」


ぼ……俺がそういうと、なぜか明は驚いた表情をした


もしかして、本当にあれは幻影だったのか


「え、あれか。もしかして何かのジョーク?」

「いや。言葉通りの意味だ。見られただろ」


いや、あり得ない。例え瀕死の状態であろうと、素人の気配を間違えるはずがない


「お前それ本気で言ってるのか」

「当たりえだろ。もし、清水さんが敵のスパイならどうする。もし、そうでなくとも捕まり拷問でもされれば簡単に情報を吐くぞ。敵に弱みを掴ませることは、死に等しい。ならば」


パンッ


左頬を叩かれた


「お前それ本当に言ってるのか」

「何がおかしい。正しい事を言ってるだろ」

「ああ、そうだな。闇の世界に生きてい者なら正解かもな。でも、清水さんはクラスメイトだぞ!」


明の言葉が理解出来ない。ぼ……俺はこの業界裏工作をやってる身だ。眼の前で先輩後輩、同僚など死んだ場面を何度も見てきた。自ら殺した事だってある


今更クラスメイトも…


「お前が寝込んでいる間ずっと看病をしていた。それも綾野さんよりもずっと。朝から晩までわざわざ学校を休んでまでだ」


「はあ、悪かったよ」


ただ覚えておけよ


「………その甘さはいつか身を滅ぼすぞ」




_______________________________________________



「綾野さんは」

「もうすぐ来るはずだ」


「そうか………」


はあ、誰かいるな


「誰だそこドアに隠れているのは。」



ガタ



「ご、ごめん。盗み聞きするつもりは………」

「知ってる。ついさっき来たばかりなのは」


そこにいたのは件の清水さん。そして……


「綾野さん。油断しましたね。一瞬ですが違和感で気づきましたよ」



綾野さんだった


「ハハ、流石だな………」

「はあ」


綾野さんは、ぼ……俺の事を実の息子のように育て、溺愛している。だから悲しんでいるのだろう


「もう大丈夫ですよ……心配かけました」


そう言いながら、病院のベットから出て綾野さんの下に行き。


「看病ありがとうございます。好きですよ」


頭を撫でる。基本的に綾野さんはこれで機嫌が直るのでいつもしていることだ


始めあった頃の威厳は………


「お、おい…」

「はい、どうしました綾野さん」


「は、恥ずかしいだろ」

「義親子ですよ。これくらい普通です」


それに明も言っていた事だ。


「嫌」


ん?


「綾小路君!いくら家族で大好きなお姉さんだからって、限度があります」


「姉?綾野さんはどちらかというと親…母親だぞ。それに血は繋がってないから義理だ」

「じゃあ余計だめだよ!綾野さん?でいいですよね」

「ああ、いいとも」

「綾小路君は渡しませんから」



………



何かが始まった


「明、なんか煩いし。ここ離れようか」

「お前……これは清水さんも大変だな」

「ん、なんで清水さん。ここはぼ……俺が大変だろ」


「はあ、お前いつか刺されて殺されるかもな」

「なぜだ。ぼ……俺がそんな失態を犯すはずがないだろ。殺るなら確実に息の根を止める」




________________________完_______________________






ふうようやく書けたよ……3をあることを期待しないで待ってくれると幸いです


「それ書かないって言ってるだろ」

「いえいえ、たぶん書きますよ」

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復讐を誓う男 寝る人育つ @hiiraginokinositani

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