第29話 男友達と
いつものように母親と朝食を済ませた後、麻利恵を迎えに行ってから一緒に学校へ向かう。途中の駅で数名の女友達と合流してから電車に乗って、会話を楽しんでいる間に到着する。
廊下ですれ違う女子生徒と挨拶を交わして、自分の教室へ。扉を開けて中に入ると、既にクラスメイトの姿がちらほらと見える。
「おはよう!」
「「「おはよう、直人くん」」」
僕が声をかけるだけで、とても嬉しそうな表情を浮かべるクラスメイトたち。その笑顔を見ると、こちらまで幸せな気分になる。
僕は、そのまま席について鞄の中身を机の中に入れる。それを終えると、すぐ横の窓側に座る彼らに声をかけた。
「おはよう、
「……おはよう」
「お、おはよう……直人くん」
「2人とも、ちゃんと今日も学校に来て偉いねぇ」
「面倒だけど仕方ない。学校に行かないと、もっと面倒なことになるから」
「う、うん。智祐くんの言う通り、だよ。でも、面倒でも自宅学習に切り替えるのもアリかもしれない。こんな女性ばかりの空間に居るんだもん。居心地が悪いよ……」
男子生徒は特別に、学校に通わない自宅学習という選択もあった。しかし、大半の男子生徒は学校に通って授業を受けている。自宅学習には、色々と面倒なことがあるから。
「僕は梶やんと米ちゃん、2人と毎日学校で会ってお話できるのが楽しいよ」
「……まぁ、それは別に否定しないけどさ」
「僕も、直人くんとお話するのは、楽しいよ」
面倒そうだけど同意してくれる梶山智祐と、照れながらも喜んでくれる米谷昌央。同じクラスになってから積極的に話しかけて、かなり仲良くなれたと思う。
僕は、女性だけでなく男性とも仲良くなりたいと思っていた。そして親しくなった彼らにも、女性とイチャイチャするのが楽しいということを知ってもらいたい。
既に僕は、数多くの女性と親しくなってイチャイチャするのを楽しんでいる。これからも、数多くの女性と出会って仲良くなって、イチャイチャして楽しむつもりだ。全ての女性に幸せになってもらい、僕も幸せになるのが人生の目標だ。
だけど、それにも限界がある。物理的に無理なのだ。世界に存在する全ての女性と仲良くなるなんて、現実問題として不可能。だから、彼らにも協力してもらう。より多くの女性たちが幸せになれるように。
そのために、彼らにも女性とイチャイチャするのは楽しいということを知ってもらわなくてはならない。無理やり協力させるつもりは一切ない。彼らにも幸せになってもらいたいから。僕の楽しい人生を、彼らにも知ってもらえたら最高だと思う。同じように感じてくれるようになったら、とても素敵なことだ。
そのため常に、女性だけでなく男性とも積極的に仲良くなろうと思っていた。まずは地道に、身近な人達との関係の構築をしっかりと。
「3人だけで会話を楽しむだけじゃなくてさ、他のクラスメイトとも交流しようよ。とっても楽しいよ」
「……女子と交流するなんて面倒だ」
「うーん。女子とお話するなんて、やっぱり怖いな」
「そーかな? 楽しいと思うんだけどなぁ」
僕は、近くに居た女子生徒たちの方へ体を向けて手を振った。僕たち3人の会話に興味津々だった彼女たちは、すぐに気付いた。そして、手を振り返してくれる。嬉しそうに反応してくれた。こんな簡単なことで、お互い楽しい気分になれるのだ。
「「「キャー! 直人くん!」」」
「これだけで女性は楽しんでくれて、僕も楽しくなって。気分も良くなるし、幸せになれるのに」
「それを楽しいと思えるお前は、変わってるよ」
「うんうん。凄いよ、直人くんは。あんなに堂々と女子とコミュニケーション出来るなんて。女子って何してくるのか分からないし、視線も怖いし、近寄るのすら怖いんだよ。僕には無理だ」
「昌央くんは怖がり過ぎだけど、直人くんは親しくし過ぎ。普通に対応している僕が一番、常識ある男だろうね」
2人とも、女性との交流には消極的だった。僕の目標を達成するには遠そうだな。けれど僕は諦めずに、2人に女性と一緒に過ごして楽しむことの素晴らしさを語る。それを聞いて、2人が興味を持ってくれるまで何度でも繰り返すつもりだ。
「この前、とても楽しい人と出会ってさ。2人は、動画配信とか見る?」
「動画? 配信? 見ないかな。面倒そうだ」
「聞いたことはあるけど、僕はコンピューターとかスマートフォンとか使うのが苦手だから見たことないよ」
「そうなんだ。それじゃあ今度、皆で一緒に動画を見てみようよ。面白そうな動画を探しておくからさ。それでこの前、僕が出会ったのが動画配信をしている女性でね」
「ふーん」
「へー」
今日は、僕が出会った動画配信者の天川さんについて2人に話をしてみた。授業が始まるギリギリまで、彼らに話を聞いてもらったりした。
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