第4話

「だからさぁ。見つけたというか、解ったときにビックリしてね、えぇっ。間違いないよねって結構検証してたんだ。一ヶ月ぐらい」


うぅっ。

そんな前から狙いを定めて張り込まれてたんだ。


きっと私の気がつかない何かにも一杯気がついてて、もう私は南沢さんの中で丸裸なんだよお。


「メンバーにもなってるんだよ? 実は」

「……………………」


わ、私のメンバー。わたしのメンバーりめんばー…………と、特典には私の生写真(顔出しNG)を……。


ぽ、ポーズやパースなどはランダムで十枚を抽選で送っている。



…………はわわわ。



と私がはわわしていると南沢さんはバッグから写真を撮りだし私に見せた。


とってもえっちぃおしりの写真を。




……何だろう? 学校の教室で私のプニプニなおしりが晒されている瞬間だった。


ひらひらと。


しかもあれは勢いに任せてふざけて撮ってしまった際どい水着写真ナンバー二桁の奴だ…………。


私は南沢さんに脅迫でもされるのだろうか?

今なら何でもしますですはい。


一句。

勢いに負ける私。三手詰めです。まいりました。



感想の戦いは要らないですよ。

これ以上は止めてよお。


魂が抜けちゃうよー。


もうご飯中だったんだけど喉に入らないよお弁当。

マーマンごめん。



「ねぇ、遠江さん……クラスメイトだし友達になろうよ?」

「…………は、はぃ」


「私、遠江さんのお尻、見たいな、直に。あんな綺麗なのだもの。あれは芸術だよ!」


ひっひぃー。


狙われてます。

ロックでオンな感じです。


南沢さんを見ると目がキラッキラッしています。


獲物を狙う瞳では無いけれどキラッキラッした目で見られるのもどうかとおもふ今だった。



そんな感じで南沢さんの手のひらで、ひらひらとしている私のおしり写真。


悪意のありそうな偶然に。

そう。教室の窓は開いていて、一陣の旋風が教室に吹いた。


ビュービューと。


まぁそうなるよねーと私のおしりは空に舞った。

……いや、写真がね。


そうしてクラスでは大人し目の彼、鬼山田くんの手の上へ。


…………はは。


まぁそりゃ見ますよね男子。

うん。手にした物はとりあえずね。


此方から鬼山田くんのお顔は見えないが私のおしりつき写真をマジマジと見ている気がする。


ええ見ているね。

だがしかし、此方から見えないはずの鬼山田くんの状況がハッキリと変わって見て取れた。


後ろ姿なのに……。

みみもと付近、略してミミーが真っ赤でありますですはい隊長。



この状況。

如何なものかと思っていたら、正面に座る南沢さんは立ち上がり、鬼山田くんの方へ向かい幾つかの会話を挟んでーので写真を回収してしまった。


そんな彼女は私の目の前に戻り一言。


「危ない危ない。私のお宝が」

「………………」


……そんなに大層な物にしないでー。

子々孫々受け継がないで、間違っても。


鬼山田くんをふと見ると背中、肩とか小刻みに震えている。


目の前の南沢さんはおしりーの写真をじっくり10秒ほど見つめてから目をつむり大事そうにバッグにしまった。


そこで何故か大きいくしゃみが出た。

へぇっぷし……。


可愛くないくしゃみと共に南沢さんの顔に少し何かが飛んだみたいでサッと拭いていた。


ごめんよ南沢さん3回も。



しかも鬼山田くんは私のすきぴだった。もう穴があったら状態。なおお尻だけ隠れていない様子のわたしやん。とほほ。



そんな感じの長い一日がさっき終わった。


もっちのろんろんで私は部活やバイトなどしていない。

こんな日は直ぐにお家へ帰るに限るのだ。


私は結構単純だから寝たら元気。

多分明日のわたしならきっと大丈夫。


でも今の私は許してよおおお。




…………明日の私、頑張れ。

ちょー頑張れ。


私だけが応援しているんよ。

そんな小さな私の世界のお話。


第一部完。

ちょっと勝手に終わらせないでー。おやすみよー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る