サブスク女子
なすのしらす
第1話
「はーい。今月も定期購入ありがとうございまーす」
今、コミュニケーションの新たな形。時代はSNSが主流となりつつあった。
そういう私もその一人。
しかし、いったいどーしてこうなった?
事は数ヶ月前に遡る。
チャンネルのぬし『さらばサラダバー』のさらっちこと…………遠江さらお、17歳。
勿論、メイクや髪型、マスクに被り物を駆使してリアルはまだまだバレていない。
まぁこのご時世、隠すのはかなり難しいから時間の問題だろうけどね。
陰キャ気味の私でも目の前に人が居るわけでは無いから多分だけど大丈夫。
有名になって人気者になってかわゆでもってもてなワタシ。
うんうん。わんちゃん有るかもしんない。わんわん。
突然に、唐突に母は言った。
そんなでもお金には換えられない。
こんな時代、簡単に稼げる仕組みが多数あるんだ。
稼がないでどーする?
という母の教えにより私、さらっちは爆誕した。
怖いことになったら何とかしてあげる、という怖い母…………。
貴方は何者ですかねぇ? はは…………。
んでお父さんも私に職を隠している。ひたひたと。
弟は引き籠もって何かをしている。かちゃかちゃと。
姉は家を出ていかがわしいお店で働いているらしい。
ちゃぽんちゃぽん。何その擬音?
もう私は堅気では無いんだろうな、とそれを聞いて思った。
でもでもそんな私もこう思う。一度しか無い人生。好きに生きてイキって何が悪い。
あ、でもやり過ぎは駄目だね。うん。程々さいこーおういえい。
え? 一体なにがしたいかって?
何だろうね?
まぁそんな私も色々としてきた訳ですよ。
そこまで長い人生では無いけどね。
死に急いでるのかもしんない。
何してても飽きちゃうんだよ、飽きちゃうんだYO。
どーぢてだよー。解んないようなう。
……とそんな私でも、好きなもの飽きにくいものがあった。
それが、人間関係とか生き物。
人それぞれだねー。ニンゲンオモシロイ。
対人は怖いけどという微妙な距離感。
うんうん。
お話も無限。性格も千差万別。犬も猫も可愛い。コレ真理。
元気大事でご飯も美味い。
ちょっとした生物学上の女子です。多分きっとめいびー。
登録者数は気がつけば二十万人越え。あれれ、始めたの何時だったっけ?
まだ四、五ヶ月目ぐらいだよね?
毎日凄い勢いで増え続けている。
きっと私には目に見えていない才能が、能力があるに違いない。
いやいや無いよそんなもの。
何にも無いはずの私にあったもの、それは丁度良い程のおしりだった。
最近なんかさー、コメントに尻って文字が良く流れててさぁ。
何かの隠語とかかねー。
位にしか思ってなかったのよねー。
おまえらという名の皆に聞いてみたのよ。
軽い気持ちでさ。
そしたらさー。
口を揃えて言うわけさ。
うん、尻だねって。
ああ神様。かみたまは私に才能を下さった。
望もうと望まなもうと下さった訳よ。ほど良いお尻を。
そもそも才能って言い方は何かがおかしい事にも気がつかないわたくし。
何でも軽い気持ちで聞くもんじゃないね。
調べたら気軽に物事を始めるって書いてあったよ。尻が軽いに。
ちぇー。帳尻も合うかとおもたのに。
更には逆にすんごい努力してるんですね?
とかも言われる聞かれる訳ですよ?
多分女子に。
え? お尻に努力なんて、考えたこと無かったわ。
世の中怖いわサンバだわ。
キレッキレだわわ。
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