転移

この世界ではこの能力が無能であることが再三良くわかった。

とりあえず、この町を一周すると困惑している人が二、三人いた。

僕以外にも転移してきた人がいるらしい。

どうせみんな神様に理不尽な能力を貰ったんだろうと思い、話しかけてみた。

「そ、そこの人?」

「な、なんですか?」

ともに陰キャだった。

「あの、超能力って持ってます?」

「え、ええ…」

どうやら同じだったようだ。

「どんな能力ですか?」

「確か、水を生み出す、みたいな能力だったような…」

それは実質魔法では?

「あの、見せてもらっても…」

「あ、ちょっと急いでいるので…」

………まるで僕が不審者で逃げるように去っていった…

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