失われた恋人〜時に消えた伝説〜

第1話 序章







 時は伝説の彼方に眠る時代。


 人々の中で信仰は生きていて、託宣によって政治を取り決めていた。


 そのため巫女や神官はとても大切にされる。


 特に力ある巫女や神官は大切にされありとあらゆる贅沢が許される。


 だが、その代わり人としての幸せを得ることはない。


 聖なる力は俗世の汚れを知ると失われると言われていて、巫女の場合も神官の場合も、神殿に閉じ込められたまま生涯を閉じる。


 そうして力が失われると放逐されるのが現状だ。


 部落を護れる間は大事にされるが、力を失った途端に掌を返されるのだ。


 だが、それでも巫女や神官なくして政治は成り立たない。


 また巫女や神官の守護をなくした部落は滅びるのである。


 そんな思想がゆるゆると蔓延していく世代。


 大きな部落があり、そこもまた巫女の力によって統治されていた。


 これはそんな小さなどこにでもある神話のひとつ。


 今では語られない伝説の逸話である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る