危機

あの夜は結局のとこ考えがまとまらないまま

朝になってしまった。

ぱちりと目は開いたまま再び思案に暮れる。


「お兄ちゃん、はやく起きてよー」


妹のしずくがどうやら起こしに来てくれたようだ。


「ごめんね、今から起きるから待ってて」


と言って起き上がり、ハンガーに掛かっている制服からそのまま袖に通す。

結局のところ花梨と隼人がいつそのような関係になったのか?

何が原因で?

それら、諸々が把握出来ない事には

何も始められないと結論づけた。


("まずは、身の回りの調査からだな")


急いで準備を行い、家から出る。

すると、いつもの光景がなくなっていた。

花梨が家の前に立っていないのだ。


恐らく隼人が言ったんだろう。

正直、この展開は凄く嬉しかった。



当然、事情の知らない雫は、

「あれ、花梨さんがいない?」


「今日は、委員会があるから先に行くねって連絡来てたよ!」


俺が知らないとこで面倒くさい自体を招かない為に、嘘を付いた。


「え、そうなんだ...もう、お兄ちゃんったら え?でもなんでだろう

いつも、忘れる事無かったし、今日珍しく起きるのも遅かったし、何か変だよ?」


俺の顔をじっと見つめ首を傾げる。

流石、兄妹といったところだろうか。

何だろう、直感というか、頭の回転が速い。


「あはは、何でだろうな? ほら、もうそろそろ受験が控えていて緊張してるのかも」


「もーそうならそうって言ってよ!

でも、なんか安心した。お兄ちゃんでも緊張する事あるんだね!」


「ごめんね、頼りないお兄ちゃんで

でも、そりゃーお兄ちゃんだって、毎日ドキドキしてるんだからなー!」


「お兄ちゃんでも受験となったら心配になるのか、私も来年そうなるのか大変なんだろうな」


「こら、雫他人事じゃないぞ!」


お互いが笑い合う。



なんとか、誤魔化せた。

まあ、そう焦る事もない。

何年も一緒に暮らして来たのだ。

じっくりと相手の出方を伺いつつ、臨機応変に対応していこう。


だが、あの頃の記憶が鮮明に映し出される。


いつも、いつも仲良く花梨と雫で手を繋いで登校してラブラブだった。

昨日までの事が遥か昔のように感じる。

俺はあの時本当に笑えていたのだろうか?

今になってはよく分からない。



それとは別に、学校に近づくにつれ悪寒が徐々に強くなっていく。

学校から、一本挟んだ道路で足を止める。

今学校に入ると何となく不味い気がする。

だが、昨日と違う事と言ったら、

彼女が親友と浮気してた事ぐらいだ。

その関係の事か?

いや、でも俺の学校での立ち位置はあいつらよりも上のはずだ。

でも、これはそれとは違う何か凄い事が起こる気がする。


学校に着いてから、いつも別れるのだが今日は直感を信じて適当な理由を付けて雫と別れた。

仕方ないが、凄いプクーと頬を膨らませていたから、帰る時デザートでも買ってかえろうか。


そして、その直感は当たっていた。


背広のスーツを来た人達が、学校の近くの車からビルの屋上から、木の物陰など

何かを待っているように待ち伏せをしていたのだった。


そして、その者達から気付かれないように

コンビニへと入る。


店員からいらっしゃいませーの挨拶を聴き流しながら、トイレへと向かおうとした途中、エロ本を立ち読みしているおじさんからのラジオから

「速報です、速報です、、、、、」


思いもよらない内容だった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

後書きの方を失礼します。

更新が遅れてしまい、申し訳ございません!

私が書く小説は常に展開が速いです笑。

何か感想があればお願い致します。


最近までずっと読み専になっていました。

面白くて、気付けば投稿するの忘れていました笑


これから、徐々に他のタイトルのストーリーを進めていこうと考えています。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る