第79話 水精の祠のボス
21階層は上位水精霊が出現した。
扱うのは水属性絶級魔法でありその威力はA級ハンターでも選ばれた者だけが耐えられるレベル。
「水精霊は厄介だ特に上位は。」
不動は刀剣を無限収納から取り出すと、闘気と魔力を纏う。
「武器に闘気と魔力を纏え。そして体にも。」
その言葉の後に非常に滑らかに全身へと身体強化を発動する。
「これくらいのレベルなら出来る様になる。まずはここから。」
すると縦に剣を一振り。
次元がズレたかのような錯覚するほどの太刀筋に水精霊は真っ二つに切れた。
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•無理だからw
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•これってA級でやっとじゃない?
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•俺らみたいなペーペーのハンターには無理な代物
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•んー、モテるならやりたい!モテますか?
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「モテるかもな。だからがんばれ。」
瑛二の顔が驚きの表情へと変わる。
頑張れだって…。みたいな顔に変わっている。
そこから特に変わった事はなく、その後に出た魔物は水精霊と水竜、レッサードラゴンなどが群れてくるぐらいだった。
いよいよ30階層。
ボス部屋と言われるダンジョンコアと守護者たるボスが居るフロア。
ダンジョンボスは水龍王。
S級魔物であり、S級ハンター三人でようやく倒せる程の脅威。
「我がダンジョンに侵入してきた愚か者はお前か。」
「…。」
気まずい雰囲気が漂う。
「ん、ん…、侵入者はお前か。」
「…。」
「そうかお前が侵入者か。では滅びろ!!」
水龍王は大きな口を開け、全力の魔力を込めてブレスを放つ。
「ブレスはこう対処しろ。」
左手を突き出すと、そこからブレスより大きく太い魔力を放つ。
ブレスはその魔力に飲み込まれ消失した。
「魔力操作を極めればこう言う事も出来る。」
水龍王は口を開いたまま驚きのあまり動かなくなった。
「そして、水龍は逆鱗に攻撃すればアホでも倒せる。」
水龍王の喉元にある逆さの鱗を飛斬で攻撃する。逆鱗は切り刻まれ、苦痛に水龍王は顔から地面へと倒れる。
「倒れたならあとは簡単だ。闘気を纏い武器で頭や首を切れ。」
魔力を込め過ぎて高音が鳴り響く刀剣を水龍王の首に向けて振るう。
スパッと簡単に頭も胴体が分断され、水龍王は討伐された。
「な?簡単だろ?ではダンジョンコアを砕くぞ。」
不動はダンジョンコアに向けて拳を突き刺すとコアは粉々に砕け散る。
「ではこれで配信は終わり。もう飽きたからしばらくは無しだ。ではな。」
瑛二はカメラをオフにすると、不動へとダメ出しをする。
「お前なぁ…。愛想悪すぎ、言葉冷た過ぎ、強すぎて理解不能、この配信を見て面白いと思う奴なんていないだろ。」
「知るか。配信なんてやりたくないんだ。観たいやつだけ観れば良いんだよ。」
「はぁ…。まぁいい。チャットも結構盛り上がってたしな。お前の強すぎて理解不能な立ち回りもある意味ではハンター達の意欲にもなるかもしれないしな。」
「何だって良い。じゃあ帰るぞ瑛二。」
「はいはい。じゃ転移よろしく。」
ダンジョンクリア報酬を受け取り、ダンジョンから二人は転移し、家へと戻った。
この配信は後日、世界的にバズり、ランキング上位勢や世界の人々に注目されることとなる。
※次回から世界編になります。
配信はそのための撒き餌です。さーせん。
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