第68話 静岡県浜松ダンジョン
不動は国の要請で静岡県に出現したダンジョンの攻略の為、浜松へと来た。
浜松へ来たなら餃子を食べなければと思い、餃子の有名店へと足を運んだ。
店内に入ると様々な視線が不動へと向かう。
恐らくハンターズバトルトーナメントで有名になったからだろう。
一人の子供が不動へと話しかける。
「おにーちゃん、この間はかっこよかったよ。お母さんからは見ちゃダメだって言われたけど、でもかっこよかったから見ちゃった。」
不動は子供に笑いかけ、頭を撫でながら話しかける。
「ありがとうな。恐くなかったか?坊主なんて名前なんだ?」
「んーん、ちょっと怖かったけど大丈夫。僕は井畑りょう。5歳だよ。」
「そうか。りょうっていうのか。」
「うん。あのね、僕おにーちゃんみたいに強くなりたいの。」
「そうか。何で強くなりたいんだ?」
「んーとね、お父さんを助けたいんだ。」
「お父さんはどこにいるんだ?」
「お父さんは探索者なの。でも、ゲートからまだ帰ってこないんだ。ずっと待ってるのに。昨日からずっと。」
「昨日から…。坊主、にいちゃんが助けてくる。ちょっとの間お利口さんに出来るか?」
「え?おにーちゃんが助けてくれるの?」
「あぁ。だから坊主はお家で良い子で待ってられるか?」
「うん!!絶対に良い子で待ってるから、絶対にお父さんを助けて!!」
「約束する。だから泣くな。」
不動はりょうの頭を撫でながら笑顔で語りかける。必死に涙をこらえるりょうの期待に応える為にダンジョンへと向かうことにした。
その後、トイレから帰ってきたお母さんに連れられ、席へと戻ったみたいだ。
静岡県のハンターズギルドへと手続きをし、ダンジョンへと潜る。
有名になった為、ちらほらコチラを見てから輩も居たがオール無視し、少しでも絡んで来ようとした者には魔力による威圧を放った。
どこにでも馬鹿はいるものだ。
浜松ダンジョン【雷光のダンジョン】へと向かう。
雷光のダンジョンは全20階層であり、難易度はAランク。雷属性の魔物が生息し、今の日本の探索者レベルでは攻略は難しいだろう。
それほど雷というのは厄介なものだからだ。
速度といい痺れや電気熱など生物からしたらかなり厄介だ。
一階層からいきなり雷属性魔法絶級を使用する魔物が現れた。
中々に厄介で、手強いのだろう。
俺でなければ。
俺には通用しない。
ノーダメで魔物達を次々と討伐していく。
あっという間に五階層へと到着。
するとフロアの隅に人影を発見する。
りょうから聞いていた特徴と似た人物が床に倒れていた。
死んではいないが、片足が無く、満足には動けず死を待つだけの時間を過ごしていたようだ。意識は少しあるが、水分不足と栄養不足によって、脳が機能していないのか、まともに話す事が出来ない。
急いで無限収納にある食べ物と飲み物を与える。一応お粥を作って貰って持ってきた。
奥さん手作りのお粥だ。しばらくすると少しだけ元気が出たのか笑顔が見えてくる。
時空神権能で足は巻き戻した。
健常な状態へと戻して、一緒に歩き始めた。
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