第30話 赤龍VS不動

 赤龍の龍滅紅炎ブレスを刀で断ち切る。

そんな人外の技をまるで当然のことのように行う。

 断ち切られたブレスはマナとなり、

地面にすら当たらず消え去った。


 その場の探索者は謎の人物の登場に困惑した。


 「やるではないか人間。本気ではないとは言え我の龍滅紅炎ブレスを斬ってしまうなぞ、そうは出来まい。」


 「は?何言ってやがる。その程度の攻撃なんて千回撃とうが断ち切れるぜ。弱者の分際でいつまで上に居るつもりだ?」


 「ガハハハハ。弱者か。分もわきまえない痴れ者め。滅してくれるわ!!」


 赤龍は再度、龍滅紅炎を放とうと魔力を溜める。先ほどよりも魔力を多く練る。最大威力を発揮するつもりだ。


 「本気で来いよ。井の中の蛙?蛇?まぁなんでも良いや。」


 怒りは力に変わり、先ほどより2倍ほどの魔力量を込めた龍滅紅炎が放たれる。


 「ガハハハ。いくぞ弱者。防いでみろ!!」


 渾身の龍滅紅炎が不動へと迫る。不動は刀に氷雪属性神級の魔力を込め、刀は青白く光り輝く。刀からは全てを凍てつかせる冷気が放たれる。



 「ほらよ。斬れろや。」


 刀をひと振り。

すると、凄絶な冷気により龍滅紅炎のその圧倒的な威力と超高温ごと凍りつかせる。


 「やっぱりこんなもんか。雑魚は大人しくしてろよ。人間なめんじゃねぇぞ蛇が。」


 「ば、ば、馬鹿な。本気の龍滅紅炎を放ったのだぞ。人間に防げるはずがない。ましてや断ち切るなんぞ。お前は何者だ。」


 「今から死ぬお前に教えて何になる。時間の無駄だろう。今更だが参考までに覗かせてもらうぜ?」


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【烈火龍 ヴァルケアス】

存在格:S[71]

状態:健康

HP:4000/4000 MP:3900/3900

物攻:1200

防御:1200

魔攻:2300

魔防:1200

敏捷:1000

幸運:15


【環境耐性スキル】

『焦熱吸収』[最上位]


【魔法】

『火属性魔法』[超絶級]


【スキル】

『龍牙』

『龍爪』

『龍顎』

『龍鱗』

『炎強化』

『炎纏い』


【ユニークスキル】

『龍滅紅炎』

『炎神の加護』

『気炎烈火』

『龍眼』

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 「中々のステータス。弱いのには変わらんがな。」


 「弱いだとぉ?お主のステータスも覗いてやろう。龍眼!!」


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【阿空不動】[20](現実世界23歳)

種族:人間[亜神]

ランキング:1

存在格:SS[89]

状態:健康

HP:10500/10500 MP:9800/9800

物攻:5000(身体強化時7500)

防御:4800(身体強化時7200)

魔攻:4900

魔防:4800

敏捷:6500 (身体強化時9750.雷化時13000)

幸運:150


【状態異常耐性スキル】

魂魄結界コンパクケッカイ


【魔法耐性スキル】

『雷属性魔法無効』


【環境耐性スキル】

『乾燥無効』[上位]

『焦熱吸収』[最上位]

『極寒吸収』[最上位]

『雷無効』 [上位]


究極アルティメットスキル】

時空神クロノス』[一部制限]


【ユニークスキル】

闘魂回帰トウシンノキオク』[50%]

鬼才天選テンニエラバレタモノ

天眼テンガン

刀剣神覚トウケンノサトリ

無限収納アイテムボックス

集気法シュウキホウ

神魔操聖シンマソウセイ

知覚尖鋭チカクセンエイ

隠者ハーミット


【大罪残痕スキル】

怠惰催眠ベルフェゴール


【魔法】

『水属性魔法 [神級]』

『氷雪属性魔法[神級]』

『無属性魔法 [神級]』

『風属性魔法 [神級]』

『火属性魔法 [神級]』

『雷属性魔法 [神級]』

『闇属性魔法 [神級]』


【武技】

『鬼神剣』[SSS級]

『属性剣』[SS級]


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 「へ?なんだこれは……。お主、いや貴方様は人間ではない!?そ、それにこのステータスとスキルは一体。」


 「見たのか。なるほど、龍眼ねぇ。天眼の下位互換ってところか。ステータスだけは見れるんだろう?」


 (か、勝てるわけがない。だって人間じゃないし、龍が亜神に勝てるわけない。え?我ここで死ぬの?人間滅ぼさないといけないのに?)


 「ふははは。中々やるではないか。今なら見逃してやろう。ど、どうだここは引き分けって事で。」


 「は?何でお前なんかと引き分けなくちゃいけないんだ?俺のモットーは斬る、倒す、消すだぞ。大人しく素材になれや。」


 「い、いやそこをなんとか。ほ、ほら従僕は要らないか?我強いから、モンスターだって倒しちゃうから!!」


 「しつけーよ。終わらせるぞ。」


 不動はもはやこのやり取りに飽きたのか、刀に魔力を込める。属性ではなく、黒の魔力。


 莫大な魔力が刀にまとわりつく。

蠢いている様に感じるその魔力はまるで生きているかの様に錯覚する。


 「く、くそがぁああ!我の本当の力を見せてやる!!」


 烈火龍は、炎神の加護で火に対する相性を極限まで上げ、火属性魔法と龍滅紅炎の威力を2倍に引き上げた。


 更に、気炎烈火で体に纏った火炎を魔力へと変換する。気炎烈火スキルの能力は、纏った火炎を自身の魔力へと変換し、魔法の威力を1.5倍にする。そしてステータス値も1.5倍上昇させる。


 一般探索者や英雄級探索者、国家戦力級ですら一撃で炭となるほどの灼熱の火炎を放つ。


 「いくらお主でもこれは生き残れまい。喰らえ『火属性超絶級魔法、激龍火焔ドラゴニックイフリート‼︎』



 迫る怒れる焔の龍。

周囲の探索者は頭を抱え、生きる事を諦めた。


 だが、希望とはいきなりやってくるものだ。

 刀に込めた黒の魔力を消し、刀を無限収納へとしまう。


 「魔法対決と行くか。来たれ寒獄、その魂すら凍結せよ。『氷雪属性神級魔法、神羅氷結しんらひょうけつ。』


 この世の理すらも凍結せしめんとする神級魔法は激龍火焔すら凍結し、同時に烈火龍もその冷気で飲み込んだ。


 龍の体は氷像へと変わり果て、太陽の光で輝いていた。


 「あーあ。もう終わったよ。やっぱり雑魚だったな。もっと強いやつはいねぇのか。くぁああ。」


 欠伸をする不動。


 その日、愛知県一宮市は猛烈な寒波が襲い、過去を遡っても一番の記録的な猛吹雪だったという。


 龍と謎の人物との闘い、いや、蹂躙劇を直接目にした者、衛星カメラのネット配信を見ていた者、莫大な魔力を感知した者、その全てが黒髪の男に畏怖と尊敬の念を感じた。


 岐阜県を滅ぼした災厄の龍が一瞬で殺され、伝説となった。




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※不動のステータス、スキル、存在格が軒並み上がっていますが、神々の力の結晶たるEX級ダンジョンマスターとのわずかな戦闘でこれだけ上がりました。

時空神の力を受け入れたことが主な要因です。


次回は戦闘の余韻というか周りの評価と掲示板での一般人の反応も書いていきたいと思ってます。









 

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