第5話 順調の先に
「ユニークスキル?まぁ良い。敵さんのお出ましだ。ぶちのめす。」
ユニークスキルについて考えながら、次々と現れる敵を倒していく。
不動は心の中でステータスを見たいと念じた。
その時、目の前にはステータス画面が
ホログラムのように映し出される。
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【
種族:人間
存在格:E[10]
状態:健康
HP:22/22 MP:17/17
物攻:23
防御:6
魔攻:5
魔防:6
敏捷:14
幸運:6
【ユニークスキル】
『
『
『
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「おっ。見れた見れた。てかバランス悪いな。物理攻撃速度特化の戦士タイプかよ。」
「それで『
集中してスキルを見ていると頭の中にメッセージが流れた。
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※天眼スキルにより解析。
『
・前世の闘いの記憶のみを甦らせる。
記憶は少しずつ甦り、全ての記憶が甦ると………。
世界にただ1人だけのスキル。
ただいまの記憶解析度1%。
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「……前世の記憶?んー覚えてる様な無い様な。妙に闘うとどう動けば良いか分かるのは、これのせいか?」
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『
・才能の最高地点。動作を見ただけで理解し自身の能力へと昇華できる。鬼神が宿った者だけが扱える。また理想の動きを感覚的に使える。
世界にただ1人だけのスキル。
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「なるほどな‥‥‥。今までの人生をつまらなくしてくれたのはこのスキルか。まぁ今となっては超ありがたいスキルだがな。」
「さて、次は天眼の方だな。まぁ粗方予想はつくけどな。」
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『天眼』
・目視、視認した存在の情報を知ることが出来る。また、偽装、隠蔽スキルを看破できる。
視力全般の能力がかなり上昇し、成長する。
魔力の流れすら見える。
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「ま、だろうな。ユニークスキルって事は、俺以外に保持している野郎はいねぇのか?それとも他に保持している奴もいるのか?でも世界にただ一人のスキルって書いてあるんだよなぁ。」
とりあえずスキルの鑑定は終わった所で、次の階層に向けて出発する事にした。
度々出てくる雑魚を瞬殺し、経験値を稼ぎながら進んでいく。
ゴブリン、コボルト、スケルトンを倒していくと次の階層ではオークなる豚の顔をした人型の化け物と遭遇した。
オークは、大きめのナタを持っており、力任せに上から振り下ろしてきたが、ナイフを逆手に持ち、刃の部分でナタを滑らして半身で避ける。
返す刃でナタの持ち手の指を切りつけるとオークはナタを手放した。
好機とばかりに2本目のナイフで眼球に投擲。
右目に刺さるとオークは激情するが、もはや不動の敵にあらず。
両足の付け根の腱を切り裂き、体勢を屈ませることに成功。
あとは左目にナイフを突き刺し、脳を潰すだけ。恐ろしい体力だったがオークは限界を迎え倒れた。
武器のナタを回収し、オークに目をやる。
「こんなもん食えんのか?あの気色悪い豚の化け物だし、人型だし、気色悪いし、気色悪いし。」
人型で豚の化け物という事もあり、気色悪いという文言を三回も言い放つ。
「腹減ったし、適当に燃やせる物‥‥あぁ、さっき拾ったゴブリンの棍棒でも燃やすか。ナタとナイフで擦れば火は付くだろ。」
棍棒をナイフで削り、木の屑を作る。
ナタで細長く切り裂いて薪を作った。
余った薪で串を作りオーク肉に刺して焼いていく。
すると焼けてきて周りに香ばしい香りが充満していく。
化け物の一つや二つ出てきそうなので警戒しながら食べる。
「なんだよ‥‥‥。気色悪いクセにうめぇじゃねぇかよ。見直したよオークちゃん。やれば出来るじゃねぇか。」
見た目とは裏腹に美味であったオークの事をディスっていた事を内心謝りつつ、ストックの為に次のオークを探そうと決意した。
とりあえずお腹が満たされたので、オークを探しながら更に下の階層へと進む。
探索は順調に行き、10階層へと到着。
すると、入り口で見た鬼の顔の門が道を塞いでいた。
「やっと10階か。これは、入り口の門と同類の物か?とりあえず入るか。」
入ったと同時に開いた門は勢いよく大きな音を立てて閉じた。
上の階層とはまた違った雰囲気で、威圧感が膨れ上がった気がした。
すると奥からカシャンカシャンと金属音の掠れた音が聞こえてくる。
警戒心をMAXまで高め、戦闘体勢に入る。
敵の姿が見えた瞬間、止めどなく汗が流れる。
今まで会った敵とは一線を画す存在感。
急いで天眼で鑑定する。
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※天眼スキルにより解析。
【
存在格:B[?]
※存在格に隔絶した差がある為、鑑定できません。
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「は?なんだよこれ!!!!!ありえねーだろ!!」
あり得ない事態に混乱する。
たかが、10階層のボス。
鎧を着た武者の様な出立ちに、白銀に光り輝く刀を持っている。
顔には三方向へと向いた三体の鬼の顔のお面を被っている。
その大柄な体からは殺気が漏れている。
こんな強いボスが出るはずがない。思うはずがない。
出現した所で、上の階層とさして変わらない少し強くなったくらいのボスだと勝手に思っていた。
ゲームでも、こんなことあり得ない。
圧倒的に理解できない事態に、逆に冷静になっていく。
スキルのおかげか、はたまた生来のものか。
相手の出方を冷静に伺う。
最大限の集中に集中を重ねていく。
相手の一挙手一投足に意識を向ける。
刹那の時間に、自分の目の前にまるで瞬間移動したかのように感じる速度で現れ、もう刀を振り下ろしている。
「くっ。なんだよこれこのクソチート野郎。」
何とかナイフで刀の軌道から体をずらす。
相手の刀の振り下ろす力に対抗する術はなく、
せいぜい自力で自身の体だけをずらすのが精一杯。
「ありえねーだろぉ!!」
縦横から自在に剣戟を放つ武者に何とか喰らい付いて行く。
普通の人間なら最初の一撃で御陀仏だ。
何とかなっているのは、スキルのおかげ。
「はぁはぁ…。少しだけ慣れてきた。」
存在格。
それは、生物が生物を支配する上で絶対的に優位に立てる一種のルールのようなもの。
一つランクが違うだけで、本来、抗うことすら出来ない生物界の掟。
ゴブリンがオーガに勝つことが出来ない様に、オーガがドラゴンに抗う事が出来ない様に、存在格が勝利を決定づけると言っても過言ではない。
余程の強力なスキルがなければ…。
それが、曲がりなりにも抗い、争っている。
そんな戦闘も1時間ほど経過した。
「………慣れてきた。」
記憶解析度5%...
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