現代的な部活動の空気感と、ネット文化──特にVTuberというフィクションとリアルが交わる存在──を巧みに取り入れた構成で、非常に新鮮だった。
まず第一に魅力的だったのは、部室での会話のテンポとキャラクターたちの「どうでもよさそうで妙にリアルな会話劇」だ。無重力セックスや宇宙移民といった突飛な話題に、粂井・静間・尾沢・那須がそれぞれの視点で勝手に盛り上がっていく様子は笑えて、でもどこか愛おしくもある。鋤柄が何か真面目な話をしようとしても聞いてもらえないのは、まるで「ありふれた日常」の皮をかぶった非日常の予兆のように感じられた。