第2話

俺は、この瞬間。初めて悲しさ、苦しさ、悔しさをおぼえた。なんでだよっ!!!なんで俺の島なんだぁっ!!!くそ!くそ!くそー!!!


平凡な毎日だった。俺の生活は楽しいこと幸せなことはない。昨日までそう本気で思っていた。でも、それは違ったんだ。もうあの生活は、充分幸せだったんだ。よく漫画でこんな風なシーンを見る。そんなの当たり前だろ!と思っていた俺が馬鹿みたいだ。これ以上の幸せを求めることは、それは欲望でしか掴むことができない。俺の無力さを知ると同時に悔しさでいっぱいになった。俺が島内の高校に行ってれば俺が家族だけでも助けられたかもしれない。助けてあげられなくても、家族として一緒に死ねたかもしれない。俺よりまだ若い妹だけでも生かせることができたかもしれない。そもそも、俺が親父の店を継ぎたくないなんて言わないければ高校に行かずにずっと島にいることになっていた。俺が素直に親父の店を継いでおけば、、、。まだ希望があったかもしれない。


いったい、俺はどうするべきだったんだよ。

おい!!神様!!!何で俺の家族なんだ!なんで俺の島なんだよ!!!島なんていくらでもあるのに。なんでだよ。

俺は神様を憎んだ。何が神だ。どんなに願っても叶えてくれないくせに。

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