魔王ですか? 最近辞めちゃいました
石川さん
第1話 魔王やだ
魔王がいた
魔王は最強だった
数多の魔族を従え
数多の国が討伐しようとしたが敗北
勇者アルクも敗れ世界は混沌に満ちていた
そんな中
日本国
真ん中の方
山が近く
田舎寄りの街
深夜2時
コンビニエンスストア
そこに財布、電話、家鍵を忘れたことに気づき温めて貰った弁当の料金を払うお金が無い上にここがいったい何処なのかよくわかってないダメダメな・・・
魔王がいた
「深夜のこの時間に食べるご飯は本当に美味いな」
深夜2時に食べるこの弁当ロコモコ丼?はこの時間に食べるという背徳感が合わさってなんとも言えない味がした。
「お腹もいっぱいになったし帰ったらこのままボスを倒すまでオールだーっ」
「魔王様まずありがとうございますでは?」食い気味に1人の魔族が多分最初に聞くべきはそこからじゃないんだろうなーとか思いつつも取り敢えず謝らせようとしてきた。
「あっ、この度はお弁当の料金と店員さんに一緒にお詫びして下さりありがとうございま・・ん?」
紫色の髪に別に目が悪くないのにつけている片眼鏡、真っ赤な瞳にいつ見ても変わらない表情
「待て待て待て待て待って?」
「どうかされましか魔王様?」
どうしよナスに見つかった。
ナスは数多のスキルを持ち魔王軍で参謀をしている子供の頃からの腐れ縁である
色々聞きたいことがあるが確か誰にもここに居る事は伝えていないはず・・・。
「待てナスよ!」
「ナスじゃないですセレスナ・リ・オルトです」
「何故ここにいる!」
「未来視と転移を使いました」
「チートか!」
「チートですよ?」
「 ウーー」
「唸らないでください」
面倒臭いのに捕まってしまったーー、いつもはチートスキルを沢山持っているのに全く使わないダメダメな子の癖にー、とか思ってみたり。
「魔王様?」
「んぇ、どうした?」
「魔王様こそ何故この様な場所にいらっしゃるのですか?」
「うっ・・」
ナスは極度の面倒臭がり屋な癖に我に関してはやたら厳しいんだよなぁ・・・ どうしよう余り言いたくないんだけど質問攻めされるよりかはマシか
「ならばナスよ」
「ナスじゃないですが、何でしょうか?」
「我の仕事内容を言ってみろ」
「仕事内容ですか? そうですね、其の999までありますけど全部言わなきゃいけないですか?」
「あれっ本当?、我 其の700までしか記憶になかっがそんなに増えたの?」
「明日には其の1000になる予定です」
「そう、何故か我の仕事どんどん増えるのー何故かね我の仕事だけ増えてくのー」
魔王軍は常に戦闘体制である、
なので皆が戦闘要員であり戦闘狂で、いうなれば全員脳筋なのだ、1万を超える戦闘員はまだしも上級戦闘員に幹部、四天王や参謀に至るまでが戦うこと以外の能力を有してないのでやらせようにも出来ない、むしろ散々な結果になってしまうでやるしかないし勝手に仕事を回される。
「なるほど」
「だからさ・・・」
「逃げたのですね」
「うん! 逃げたの!!やってられるかバカがってね」
「そうですか・・・でしたら私と魔王軍やめましょうか」
「・・・・へ?」
こいつは何を言っているんだ? と言う顔をしてみるも
「どうしますか?」
ダメだ、こいつ本気だ
昔からのよしみだからこそ分かるがやたら声にやる気が満ちている
「我を連れ戻しに来たのだろ?」
「別に連れ戻す気はないですが」
「ん? ならばなぜ来たのだ?」
訳が分からない、ナスは昔から行動に規則性が無さすぎる、一体なぜなんだ───
「そんなの魔王様が居られたからですよ」
「・・・お前は本っ当にバカだな」こいつは本当に恥ずかしいことをケロっとした顔で言ってくる
「財布も電話も鍵も忘れて外出する人よりかいいと思います」
そういえば昔から私の居るところには毎回着いてきたな・・・ナスからすれば魔王軍も私が居るから居ただけなのかもな
「いいのか? そのっなんだ──2人も辞めちゃって」
「はい 大丈夫です」
笑った あのナスが笑った、こいつこんな顔で笑うんだな昔からの知り合いなのに初めて知───
「私は特に仕事したことがないので辞めても変わらないと思います」
「ん? 何もしてないの?」
「してないです」
こいつ・・最低だ
「その─我はいいのかな?このまま辞めても」
「良いですよ? あそこまであいつら仕事してなかったらむしろ魔王様が居ても居なくても変わらないと思います」
「それはそれでどうなんだ魔王軍・・・
まっいいか2人で辞めちゃおう」
「はいっ」
それでいいのかとか思っちゃうけど・・いいよね私今まで頑張ったし
「所で寝泊まりはどうするんだ?」
「魔王様家あるでしょ?そこでいいです」
「そこでいいって・・・言い方ー えっ 家来るの?寝室1つしか無いけど」
「でしたらジャンケンですね」
えっ負けたら部屋奪われるのかな?
「ふーっ ナスが負けたらソファーで寝るのただそれと家事当番を決めるジャンケンもしような」
「了解です、でも私負けませんよ」
はにかむナスはとても可愛かった
「我元魔王だぞ?負けるわけないだろ」
こっちも負けずと笑顔を返してみる
今日からいつもと違う日常が送れるかと考えたら自然と2人で笑いあった
朝になり急に魔王と参謀が消えて大混乱が起きた魔王軍、そして情報を手に入れた1部の国は頭を抱えていたのだが
知らないだろう消えた2人が部屋の割合決めで争いあっていたことを、そして今の所全敗な魔王が掃除、ご飯、買い出し、洗濯当番にさせられうえ寝室の使用権を奪われたことを。
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