第二話 追いかけようとしたもの(男性商業施設警備員)
やっぱりね、こういうそこそこ大きい施設なんで奇妙な体験は多々ありますよ。
特に閉店後の夜間に見回る時なんてざらです。
そんなのに怖がってちゃ見回りなんて出来ませんよ。
それに今みたいなご時世だったら、騒ぎ出したり暴力沙汰を起こすようなお客様の方がよっぽど怖いです。
かるーい体験談だったら紙を捲る音がしたから注意しに行ったら誰もいなかったとかそんな感じですかね。
一番怖かったのは防犯カメラにも映って複数人で目撃したことですかね。
閉店して数時間経った頃ですかね。
ええ、時間だと12時過ぎてたと思います。
巡回も一通り終わってボーッと防犯カメラ見てたら施設の裏側に女の人がいたんですよ。
微動だにせず立っててね、体付きやなんとなくの服装で女性ってことが分かりました。
裏側というか従業員専用の入り口のところですかね。
円を書くように繋がってますが一本道で、そこから移動するには東西どちらかしかないんですよ。
不審者の目撃談も増えてましたし、どうにかして捕まえようと思ったんですよ。
それだから私は西から一緒に警備してたSさんには東から行ってもらって挟み撃ちにすることにしたんです。
目の前はそこそこ大きな壁で登ることなんて出来ないし、自分から逃げればSさんの方に向かうことになる。
捕まえて話が聞ける!なんてちょっと意気込みましたよ。
結果?走って向かった結果はSさんとのご対面でしたよ。
女性はいませんでした。
Sさんも見てないって言うんですよ。
どこに消えちゃったんですかね。
それともまだ見えないだけで突っ立ってるんですかね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます