第101話
・収集スキル 少しだけ多く収集物が入れられる(小容量限定)
まずできる検証は何だ?
っと、その前に。
『アンバー、もう少し狩ってきてもらえるか?欲しかった収納スキルじゃなかったんだけど、使えるのか?確認しときたいんだ』
『違ってたんだ、残念。でも使えるかもしれないの?』
『それを確認したい訳』
『分かった!沢山狩ってくる!』
『いやいや、取り敢えずは二十体ぐらいで良いぞ』
『そうなの?ふーん』
って、走りながら念話するなよな。
さて、アンバーが狩りを頑張ってる間に、できる検証をしないとな。
まず、投石はたぶん成長すると必中になるんだろうな。
俺の見たハズレスキルでは、そうなってたし。
ただ、魔物の固有スキルが同じ成長とは限らない、と。
次に収集だな。
気になるのは、収集物と小容量と限定の三つの単語だ。
最初の収集物って単語は、収集した物だから、俺が思い付くのは薬草などの素材だろう。
間違い無くこれは収集物だと思うが、それが購入した物だと収集物にならないのか?って問題がある。
どこまでが収集物で、どこからが収集物ではないか?
その線引きが必要なのか?
それとも必要ないのか?
このくらいは調べないと不味いだろう。
次の小容量も、どこまでが小容量なのか?は調べる必要があるし、成長したら小容量じゃなくなるのかの検証も必要かな?
それに、小容量ってのが入れ物なのか、入れる物なのかの確認もいるな。
だって、スロー・モンキーの袋は小さいし、入ってる石も小さいから、どっちか分からないんだ。
最後の限定は、言葉の感じからすると小容量に限定してる感じに受け取れる。
だけど、別々ってこともありえるかもしれない。
成長した時に限定が外れるのか?そのままなのか?
違うなら、何を限定してるのか?ってところかな?
で、できる検証は、まずは小容量からかな?
素材採取用の袋を各種サイズ別に用意して、それが収集スキルの対象になるかどうかの確認をしよう。
それで小容量が入れ物なのか、入れる物なのか?両方なのかの確認が可能だ。
まずはスロー・モンキーが五体ぐらい入る袋は・・・対象外。
つまり小容量は入れ物の方っぽいな。
次は一体入る袋だと・・・対象外。
その半分の袋だと・・・対象になった!
このくらいの容量が小容量ってことか。
で、次は収集物についてだな。
前に採集してた薬草は・・・入る。
街で買った食料は・・・入らない。
街で買った薬草は・・・入る。
街で買った魔物の肉は・・・入る。
街で買った動物の肉は・・・入らない。
つまり、自分で採取したり買ったりした素材だけしか入れられないってことか?判断がし辛いな。
魔物の肉と動物の肉で入る、入らないがあるなんて面倒だし、これは継続して色々入るかどうかの確認が必要だな。
後は、入れる物の大きさはどうかな?
コブシ大の物は・・・入る。
それより大きい物は・・・入る。
袋の容量的に同程度の物も・・・入る。
もう一個同じ大きさの物も・・・入った。
それ以上は・・・入らない。
大きさ的な縛りはほとんど無さそう。
容量的には倍ぐらいかな?
と言う事は、収集物と言う縛りがあり、入れ物の大きさに縛りがあり、入る量は約二倍と言うのが分かった訳だな。
続きはアンバーが帰ってこないと・・・帰ってきたか。
『エドガー!狩ってきたよ!』
わお!十体ぐらい咥えてないか?
目の前に落とされたスロー・モンキーは十一体あった。
アンバーは『向こうにまだ置いてるから、取ってくる』と言って、また走り去った。
ちょっと唖然としながらも、スキルを回収していく。
『スロー・モンキーの投石スキルと収集スキルをストックしました』
『スロー・モンキーの投石2スキルと収集2スキルをストックしました』
あっ!スキルが成長してる。
『スロー・モンキーの投石スキルと収集スキルをストックしました』
・・・・・・・・
一体だけスキルが成長してたな。
じゃあ、スキルを合成して成長させてみようかな。
『収集スキルを合成します。合成しました。収集3スキルをストックしました』
・収集2スキル 多目に収集物が入れられる(小容量限定)
多目って・・・曖昧だなぁ。
・収集3スキル 多くの収集物が入れられる(小容量限定)
多くのってのも、イマイチ量が分かんないんだよな。
でも、分かったことが三つ。
成長させれば容量が増えるってことと、固有スキルでも成長率は変わらないってこと、小容量限定は取れないってことだな。
ってことは、アンバーが後三体ぐらい狩ってきてくれると、四段階目まで成長させられるかな。
今までだと四段階目で急激に効果が凄くなるんだよな。
ちょっと期待しちゃいそうだと、ニヨニヨしてるとアンバーが戻って来た。
さっきと同じぐらい咥えてるな。
『エドガー、これぐらいで調べれる?』
『アンバーありがとうな。ああ、それだけあれば、色々調べれるよ』
『良かった』
頑張ってきてくれたアンバーの大きな頭を抱え込んでワシワシと撫でてやると、途端に耳元で地響きのような音が聞こえ出した。
ゴロゴロゴロって、アンバーの喉が鳴る音だった。
労う気持ちを込めて、耳の後ろや顎の下、首元などを散々ワシワシモシャモシャしまくってから食べる物と水を出してやった。
『俺は調べ物をしてるから、アンバーは先に食事をしてて良いぞ』
『やったー』
大きな身体でも、アンバーの可愛さは変わらないようだ。
最後に軽く頭を撫でてから、スロー・モンキーのスキルを回収することにした。
九体のスロー・モンキーから回収できたのは全て、成長してないスキルだった。
あと一つ気付いたことがある。
アンバーの狩ってきたのは全てオスだったことだ。
確かに戦うならオスが先に出てくるとは思うが、二十体以上狩って一体もメスがいない確率は低いんじゃないだろうか?
または、メスは奥にいて戦いには参加しないということなのかもしれない。
そうなると、メスは別のスキルを持ってる可能性が出てくるかもな。
これは今後、また別に検証する必要がありそうだ。
伯爵の所に向かわなければならない以上、何時までもここでスキルを調べている訳には行かない。
取り敢えずは、四段階目の検証をしてしまおう。
・収蔵庫スキル 百倍の収集物が入れられる(小容量限定)収集物を保持保管するために時間経過が百分の一になっている
なっ!一気に増えた!
急激に効果が凄くなるとは予想してたが、これは破格だったかもしれない。
百倍に百分の一か、各種素材を確保するには有用だぞ!
例えば薬効が七日しか持たない素材でも七百日保持できるって、約二年は保持保管が可能なんだ。
素材の確保が楽になるなんてものじゃないぞ!
確かに収納スキルじゃなかったのは残念だったけど、これはこれで全然ありだな!
後は、もう少し検証が必要だってことか。
それと今思い付いたが、特殊合成ができないだろうか?
下級職スキルマスターみたいに、同じスキルを二つ合成ってできれば効果が倍増したりしないだろうか?
ああー、調べたいことが増えていくぞ!
なのに時間は無い、参ったな。
取り合えず、目先の検証できることは検証したし、伯爵の所に行かないと不味いだろうな。
道中で襲ってきたスロー・モンキーは斃してスキルの確保をするとして、今はこの二十体ほどのスロー・モンキーを解体しないとな。
えーっと、売れるのどの素材だっけ?
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