第63話
今後の展開のために必要な内容が含まれている、本来は43話として投稿予定だった閑話が未投稿になっている事に気付きまして、急遽投稿しました。
そのため、おかしな話数である42.5という閑話が同時に投稿されています。
そちらを先に読んでいただけると、内容が繋がると思いますので、よろしければ読んでみて下さい。
混乱されるかも知れませんが、なにとぞご容赦ください。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「おはよう」
俺の腹の上で丸くなって寝てるアンバーに朝の挨拶をするが、起きてはくれなかった。
そっと起こさないようにハンモックの上に降ろしてやり、俺は食事の用意をする。
少し寒い感じがするので、暖かいスープでも作ろうかな。
調理をしながら、昨夜の事を思い返して『もっとアンバーの事を知らないとな』何て考えた。
だって、いちいち驚いてたら心臓に悪いだろ。
硬かった干し肉も柔らかくなって食事を始めると、ヒョイッ!とハンモックからアンバーが飛び降りた。
『のど渇いた』
朝の挨拶って習慣は無いだろうが、第一声がソレか?
仕方なく、スープだけを冷ましてアンバーに与えた。
たいした量でもなかったのでスープを飲みきったアンバーは、真剣に毛繕いを始めている。
こういう姿は完全に猫と変わらないんだが、本体がアレだと知るとギャップが凄いな。
他にも色々気になったこともあるし、アンバーに色々聞いてみないとな。
二日の滞在予定だったが、一日や二日延びても問題無い。
のんびり採取しながら、アンバーと色々と話し合っておくのも良いかな。
焚き火の始末をして、また戻ってくるが簡単に片付けをしておく。
荷物を見張ってくれる仲間がいない以上、必要な事だしな。
「今日は採取しながら、アンバーのことを教えてくれよ」
『何聞きたい?』
なるほど、自己紹介的習慣は無いのね、分かったよ。
そうだな、生まれてからどれぐらい経った?んだろう。
『いっぱい経った?』
何故答えが疑問系?
・・・そうか!何年とかの感覚も無いのか。
なら、雪って分かるかな?何回雪が降った?
『うーん、十五回ぐらい?』
あやふやだなぁ。
本当に小さい時は記憶して無いだろうし、俺と同い年ぐらいかな?
アンバーに人間の感覚ってのは覚えられるかな?
一緒に生活してれば・・・大丈夫だと思いたい。
昨日大きくなってただろ、あれが最大か?
『あれが一番大きいの。小さいのは昔の自分にだけ戻れる』
って事は、時間が経つともっと成長して大きくなるのか?
『時間と成長は関係ない。あるの魔物の石と魔力』
・・・どういうことだ?
『魔物の石食べると魔力増える。たくさん増えると成長する』
つまり、生活するのに食事は必要だが、それで成長はしないって事か。
魔物の石ってのは、俺の知ってる魔物石のことだろう。
それを食べると魔力が増えて、必要なだけ増えれば成長するのか。
なんとも神獣ってのは、想像以上におもしろい存在だな。
魔力って事は、魔法が使えるのか?
『使えるよ。風が好き!』
風か、他には?
『水と光、あと体を強くできる。火は嫌い。闇は使えない』
体を強くってのは強化の魔法かな?
火は嫌いだけど、使えるんだろう。
闇は、神獣だから光が使えて、闇は使えないとかかな?
スキルはあるのか?
『スキルって何?』
スキルを知らないのか?
そうか!神獣に神殿でのお祈りって習慣が無いのか!
って事はスキルの儀式も無いってことだから、スキルを知らないのも頷ける。
でも、スキルは持ってそうなんだよな?
だって、あの大きくなったり小さくなったりするのってスキルっぽくないか?
魔法だって、人間は魔法スキルを持ってないと使えないし。
そう考えると、何かアンバーが気付いてないことがあるんじゃないだろうか?
どうにか調べたりできないかな?
その疑問を頭に思い浮かべた瞬間に声が聞こえた。
『スキル鑑定スキルを使用しますか?』
いつもの【ストッカー】の声だ。
で、何なんだスキル鑑定スキルって?
そんなの持ってたっけ?
『スキル鑑定スキルは、対象のスキルを調べられるスキルです』
さっきからスキル、スキルってスキルばっかじゃないか!
と思った時、ふと、ある事を思い出した。
『あっ!マレナ!』
あれは、ベグド絡みの盗賊騒ぎの前、休日に孤児院に行った時の事だ!
前々からスキル無しの女の子にスキルを持たせてやろうと計画してた。
そのスキルの儀式を旧神教の神殿でやった時、何か称号とか、恩恵スキルとか貰って、後で確認しようと思って忘れてたんだ!
そうか!あれか!
「アンバー、ちょっと待っててくれるか?」
『良いよ』
肩の上のアンバーに断って、スキルの確認をする事にした。
『称号の効果を確認したい』
『恩恵スキルの無い称号は確認できません。現在お持ちの称号は、導く者です。効果は、対象の許可があれば、スキルを自由に操作できます。その操作に必要な三つの恩恵スキルが与えられています』
・・・他人のスキルを自由に操作できる?
確か三つのスキルは・・・スキル鑑定スキル、スキル複製スキル、スキル付与スキルだったよな。
それぞれの効果は?
・スキル鑑定スキル---対象者の持つスキルを調べる事ができる。
・スキル複製スキル---自分の持つスキルを付与するために一日に一回だけ複製する事ができる。
・スキル付与スキル---対象者の同意があれば一日に一回だけ、スキルを入れ替えたり、与えたり、奪ったりできる。
げっ!一日に一回だけって縛りはあるけど、凄いスキルじゃないか!
これって、絶対に他人に知られたら不味いスキルだよな・・・
知られたら、何処かに監禁されそうな気が・・・
絶対に秘密にするぞ!
だけど、称号が"導く者"ってなんでだろう?
スキルを自由にできるって言っても、対象者の同意が必要だし、それって導くことになるのか?
何かが違う気がするな。
だけど、俺って何かマレナを導いたか?
特にこれといって・・・っ!
あれか!
マレナに「欲しいスキルを思い浮かべて」って教えたな!
あれで導いたことになったのか?
たったあれだけで?
マジか?
色々忘れてたり新しく知ったりで混乱してるけど、ちょっと落ち着こう。
取り敢えず、称号とスキルの事は分かった。
スキル鑑定スキルを使えば、アンバーのスキルを知る事ができるだろう。
でも、アンバーは俺の相棒だ。
勝手に見るのは良くないよな。
先に確認するべきだろう。
「なあ、アンバー。俺には、アンバーのスキルを見ることができるみたいなんだけど、見てもいいかな?」
『スキル持ってないよ。でも見たいなら見ても良い』
やっぱり、スキルって認識できてない気がするけど、許可も貰えたし。
『スキル鑑定スキルを使用、対象アンバー』
『スキル鑑定スキルを使用しました』
声が聞こえた直後、脳内に沢山のスキル名が流れ込んできた。
わーおぅ!持ってるじゃん、大量のスキル!
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