洋風の美しい部屋と、その情景が思い浮かぶ素敵な文章です。
主人と、その女性の使用人の蜜月の時。
壊れたオルゴールが奏でるそれが、ふたりの関係が壊れてしまったことを示唆しているのでしょう。
膝の上で動かなくなった主人、割れた頭とあるので、これは……つまり、そういうことなんですね。
と察しました。
愛が憎しみに変わってしまった。
でも、それは主人の愛の対象が変わってしまったから。
悲しい結末ではありますが、全編を通して作品中に漂う雰囲気が、とても美しく憎しみや怖さを感じない、それよりも悲しい優しさを感じるものがありました。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。
すべてが憎しみに染まった話にするなら、きっとオルゴールがならないほど原型を留めなくなってしまうと思い、このような雰囲気で終わらせました。
情景と結末に全力を注いだ作品だったので、そのように感想いただけて嬉しいです。
おおぅ……なんというか、無限地獄ですね。
結びの文から書き出しへと繋がる円環構造が悍ましくもとても美しくて、何度も読み返すことで私まで穏やかな狂気に囚われてしまいそうです。
素晴らしい作品をありがとうございました。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。
オルゴールのクルクル回るシリンダーと彼女の抜け出せない後悔を重ねてみました。
そう表現して頂けて嬉しいです!