2023-4-6

生憎の雨だ。家を出るのがしんどい。高校三年生の一学期が終わってから成績の関係なくなった私は以来雨の日は学校を休んで生活をしてきた。誤解しないで欲しいのは私は別に雨を嫌ってはない。屋根の下から見る雨は好きでさえある。生命の循環とは行かないが、降っている水滴一粒一粒が、元は生活排水であったり、プールや海水、または人の汗や唾液であった可能性を有している。それが今はこんな綺麗な状態となり作物を育てている。それが美しいと思う。しかし美しい物であろうが、汚水であろうが、濡れることは嫌いだ。それでも学校には行かないとダメという、奨学生で且つ特待生の私には重圧がかかっている。駅まで自転車で走った。濡れることと同じくらい蒸れることも嫌いなのでカッパを着ずに、フード付きのアウターを羽織り走った。学校の最寄り駅からは折り畳み傘を差した。溜め息がこぼれていることに気がついたが、隠す気すら起きなかった。帰りは雨こそ止んだが湿度が高かった。曇天の空はよく心理描写として使われるが、私の心は思いの外晴れていた。理由は簡単だ。電車に乗る前から自転車を想像していたからだ。電車で家の最寄り駅につくと、雨はまた降っていた。この時は雨で想像する心理描写のスタンダードを私にも当てはめることが出来ただろう。

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