2023-1-28
昼頃にバイト先のパートさんから『エプロン間違えて持って行ってない?』という文面にLINEにて購入出来る絵文字が付いて送られてきた。私は急いでバックの中を漁って探した。エプロンがあるか、と言うより、無いことを確かめるために探した。自分が悪い状況になることが怖かった。私の気持ちとは裏腹に私の手はエプロンを二つ見つけてしまった。一つは私のものだ。もう一つは、、そのエプロンが何か理解したくなくてか冷や汗をかいた。不意に足元に何か落ちたのがわかった。手に持っている二つ目のエプロンのポケットが下向きになっているのでそこからだろう。その何かを見るためにエプロンをおき、手に取ってみる。社員証だった。それにはパートさんの名前が書かれていた。すぐにパートさんに「エプロンありました。どこに持っていけばいいですか?申し訳ないです、。」と送った。自分が悪いのに自分を守るのに時間を使い相手に更なる迷惑をかけたのだから、自分を守ろうとしたことは逆効果だったと思い知らされる。パートさんからバイト先に来て欲しいという旨の連絡があった。私はなるべく急ぐことと、到着予定時刻を伝えた。私は寝巻きだったので、直ぐに着替えようとした。オシャレをしようと思ったが、こんな時にそれを考える自分が嫌で、醜い中身を覆うようにオシャレなものを身に付けようとしてるようでやめた。しかし、寝巻きで行く訳にも行かず着替えは必須なので、これはとても悩ましい問題だった。数分悩んだ後、ジャージで行くことにした。ジャージは寝巻きで使うこともあるので、着替えもせずに、ダウンだけ羽織り急いできたという体で行こうと思った。利己的な考えだ。結局オシャレを辞めたのも自分がどう見えるかを気にしてなので最初から利己的な考えだった。本当のところは着替えてもいるし、急いでもいない。到着予定時刻として私が送ったものは送った瞬間に家を出た時の到着予定時刻より約30分遅れていた。着替えたら次は髪をセットした。横の髪は内に巻いた。いつもなら、先に前髪を後に襟足をまくのだが、前髪と襟足はセットしていることがわかりやすいと思い巻かないことにした。それらが終わると家を出た。到着予定時刻より10分早い到着だ。届けると、私は言葉を交わしたくなくて一言だけ謝罪をして直ぐに店を出た。私のバイト先は、ショッピングモールの一角のような場所にあり、せっかく家を出た私は同ショッピングモールの本屋に足を運んだ。大抵私は21時までバイトをするので普段は行けないのである。目当ての本もないので、数冊雑誌を読み帰宅した。家に着き、今までのことが全て私の中で整理されると、全てが自分のため、の行為であると思った。申し訳なさがつのり、それからも目を背けたくて、しばらく本の世界に入った。現実世界に戻ったのは18時頃だった。罪悪感は消えていた。心に余裕が出来た私はパートさんのLINEを見ることが出来た。そして自分のためではなく、パートさんにLINEギフトを送った。罪悪感がないのだから、当然贖罪の意味は無いし、パートさんのためでもない。ただ形式的に送ったものだと思う。今、日記を書いていた思ったが、私は私を悪としておきながら、一度として被害者のために行動していない。最低な人間だ。LINEギフトを送ったのは形式的ではなく、パートさんのためを思っての行為だ。そういうことにしよう。明日もバイトがある。件のパートさんもいるが、大丈夫だろうか。こんな日記を書かなければ、罪悪感なしでいつも通り会えたのだろうが、もう遅い。
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