第14話 あたしの初デート決定!(後編)
「まさか、お客様が再びがここに戻ってくれるとは!」
困惑している
「はい!また来ますって言ったでしょ」
「すみません。社交辞令だと思ってました……」
会話を聞きながら、
「あの、このメイドは知り合いなのか?」
「あたしはゆめゐ喫茶に行ったことあるんだわ」
「そうか……。だからこそ今日のデートはここにしたのか」
「そうよ。一流のメイド喫茶だからさ」
あたしの褒め言葉に
彼女は視線をさまよわせると、
彼が例の
「もしかして、この人は……?」
あたしが無言で頷くと、
そして、彼女は会話を戻そうと台詞を続ける。
「そうなんですか。では、ご案内いたします!」
「まったく、デートの相手があ・た・しだよ! 数学の方程式が覚えられるなら、そんなことは簡単でしょ?」
「ご、ごめん
「そうね。メイド喫茶が大好き!」
と、あたしが言うとテーブルに着いたことに気がついた。
「どうぞおかけください」
言って、
あたしたちは言われるがままに席について、テーブルに置かれたメニューに目を通した。
ゆめゐ喫茶に初めて来たとき、あたしの注文はとっくに決まっていた。
ーーキチャ、だった。
願いを叶えるためにゆめゐ喫茶に行った。
でも願いが叶ってから、あたしの意見も変わった。
メイド喫茶は素敵だなぁとやっと実感できた。
しかも、あたしは
このメニューには、たくさんの美味しそうなものが載っているし。
「ねえ、
あたしの問いに、
「んー、選択肢はかなり多いよね。もう少し考えないとな。……ちょっと待って、
「いや、実はまだ決まっていないけど……。だから訊いたの。
その言葉に、
ーー何がおかしいのか……?
「右に同じってことか……。けど、
しばらく考えてから、あたしは頷いた。なぜなら、お互いの食事を試食している間に、間接キスができることに気がついたから。
「じゃ、もう一度メニューを見ようね!」
あたしは元気よくそう促した。
そして、
「あの、ご注文に迷っていますか?」
「ちょっとだけですね。何かおすすめはありますか?」
「おすすめ、ですか? んー。実はメニューに詳しくないけど、カルボナーラは美味しそうだと思います!」
ーーカルボナーラ? なんかわからないけど美味しそう!
「じゃ、あたしはカルボナーラをください! ねえ
「うん、決まった」
数秒後、彼はやっと答えた。
「では、ご注文はお決まりでしょうか?」
あたしたちはやっとのことで注文を決めた。
デートは意外と難しいものだ……。
「「はーい!」」
そう口に揃えてから、あたしたちは注文したいものを伝えた。
♡ ♥ ♡ ♥ ♡
「お待たせしました!」
と、
彼女はゆっくりと歩きながらあたしたちの食事をお盆で運んでいる。
こちらにたどり着くと、
「うわー、美味しそう!」
「ほう、美味しそうだ!」
「それでは、一緒に呪文を言ってみましょうか?」
あたしたちは
「「「萌え萌え……キュウウウウウン!」」」
あたしの初デートがこんなに最高なんて……。そう思うと、あたしは今にも泣きそうになった。
本当に嬉しかったんだ。
今日は終わらせたくなかった。しかし、そろそろ
それでも、一緒に過ごせる時間がたくさんある。毎日学校で鉢合わせるし、週末には一緒に遊べる。
ーー
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