ブラが頭から外れなくなったんだが!?

あかせ

妹のブラを被るオレ

 今日は友達の一郎いちろうたかしの3人で、超有名某レースゲームをすることにした。

ただレースをするだけではつまらない。罰ゲームがないとな。


「オレ達3人の中で順位が一番低かった奴は、これ被ってくれ」

用意したのは、妹の莉子りこのブラだ。


「お前…。それどうしたんだ?」

一郎は訝しんでいる。


「莉子の部屋のタンスを開けて借りたんだけど?」

もちろん、本人が部屋にいない時だが。


貴弘たかひろ。さすがにヤバいだろ?」


隆の言う事はもっともだ。


「まぁな。だから罰ゲームが終わったら、こっそり戻しておくよ」


「何がお前をそこまでさせるんだ?」

一郎の奴、明らかに引いているな…。


「ブラを被るなんて、絶対やりたくないだろ? だからマジなレースができるじゃん。オレはそういう緊張感が欲しいんだよ」


「貴弘の言いたいことは、一応わかるぞ…」

隆は納得してくれたようだ。


「隆はわかってくれて嬉しいぜ」


「…罰ゲームの内容は問題だがな」


隆のさりげないツッコミを聴いた後、レースは開始される。



 ……オレは、COM含めて最下位になる不名誉な結果になった。

アイテム運は悪いし、妨害されてばかりでツイてない…。


「お前ら、グルだろ? オレが調子良い時に限って、甲羅ばかり投げやがって!」

ゲームの話になる。


「マ〇オカートって、そういうゲームだろ?」


一郎の言う通りだけどさ…。


「貴弘。さっき自分で言った罰ゲームやれよ!」


「言われなくてもわかってるよ、隆」


オレは莉子のブラを頭にかぶる。鏡で確認したところ、カップが耳みたいに見えるな。可愛い子がやったら、意外に受けるかも?


一郎と隆は、無表情でブラを被ったオレを見ている。

罰ゲームなんだから、なんか言ってくれよ…。



 さて、もうそろそろ良いだろ。外そう…。

あれ? 外れないんだけど!?


カップが吸盤のようにくっ付いている?

強引に引っ張ったら、髪を引きちぎるかも…?


「貴弘。お前、いつまで被ってんだ?」

一郎の目が冷たい…。


「放っておけ。こんな罰ゲームを考える貴弘のことだ。被りたくて被ってんだろ」


隆、違うんだ! 被りたくて被ってる訳じゃないって。


「…それもそうだな」

一郎の態度的に、考えるのを止めた感じだ。


何で外れないかサッパリだが…、とりあえず後で考えるか。


「2人とも、今度は負けねーからな!」

再びレースを開始させた。



 気付けばもう夕方のようだ。外が薄暗い。


「貴弘、おれは帰るわ」

一郎が立ち上がる。


「おれも」

間髪を入れず、隆も立った。


「そうか」

結局、数回レースしたが散々な結果だったな…。


「お前が被ってる、いい加減返しておけよ」

オレの被っているブラを指差す一郎。


「わかってるって」

…外れない事、忘れてた!


「見送りはいらないからな~」

隆がそう言った後、2人はオレの部屋から出て行く…。


再びブラを引っ張ってみる。…痛い。髪を巻き込んでいるな。

莉子が自分の部屋に戻る前に、何とかしないと。


オレはブラを外すために、試行錯誤するのだった…。

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