おばあちゃんと一緒の異世界転生

山下若菜

おばあちゃん、侵攻。



「魔王城一階ゴブリン軍団、壊滅です!」

漆黒の玉座に座る魔王は、水鏡に映る部下の報告に眉を顰めた。

「二階、オーク軍団突破されました!」

「三階、飛龍部隊陥落です!」

次々と告げられる報告に瞳を歪める。

「異常な速度の侵攻だな…」

玉座の前に跪く三人の部下に魔王は息を吐き出した。

「此度の勇者はそんなに武に優れているのか?」

「いえ…」

赤髪の部下が首を振る。

「ならば知略に長けているのか」

「その…」

青髪の部下も首を振る。

「おばあちゃんよ」

桃髪の部下が顔を上げた。

「これまで誰にも突破されなかった魔王城に侵攻しているのは、最強のおばあちゃんなの」

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